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「着けてるだけでシックスパック」 CMでよく見る「EMS器具」って本当に効果ある?

EMS器具にある2つの良さ、「技術不要」と「ながら刺激」

 EMS器具の良い点は2つあります。1つ目は腹筋運動の技術がいらない点。

 腹筋には腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋があります。皆さん、腹筋運動さえやれば腹は鍛えられると思いがちですが、自重トレーニングでこれらの筋肉に狙いを定め、鍛え上げるには、確実に刺激を入れるための技術も必要です。また隣接する股関節の関与が大きくなりやすく、実はターゲットを的確に刺激できていないトレーニング愛好家も多くいます。

 例えば、力こぶにあたる上腕二頭筋を鍛えるとします。上腕二頭筋は長頭と短頭の2つに分かれているため、本当はそれぞれに刺激を入れないと、狙った形通りに筋肉をつけるのは難しい。漫然とダンベルを上げ下げしているだけでは、最大限の刺激が入りにくいんですね。もちろん、鍛えられないことはないのですが、効果を感じるまでの時間がものすごくかかってしまいますし、最悪の場合、狙っていない形になってしまいます。

 頑張って腹筋を続けてもなかなか結果が出ないという人は、実は動きの精度が低く、狙った部位に大して刺激が入っていなかった、という場合が非常に多い。筋トレで効果を出すためには筋肉一つ一つに向き合うことで動きの技術を磨き、その精度を上げることがとても大切なのです。

 でも、一般的にはなかなかそこまで筋トレに向き合えないし、そもそも、筋肉と対話する大切さには気づけない。腹筋運動は、誰でも家でできる筋トレの代名詞ですから、誰もそこまで探求しないでしょう(笑)。でも、EMS器具なら、誰がやっても確実に刺激できる。つまり、筋肉の知識や筋トレの技術がなくても効果的に鍛えられると言えます。

 2つ目は、いわゆる「ながら」で刺激できる点です。今言ったように筋トレの効果を最大化するには、動きの精度が大切。つまり鍛えたい筋肉やそれをしっかり伸縮させる動きに意識を集中することが不可欠です。でも、多くの人は毎日が忙しく、鍛えたくても筋トレのためだけに時間を割き、心身と向き合う余裕なんてない。その点、EMS器具なら装着するだけで、仕事をしながら、テレビを見ながらでも筋トレのような効果が得られますから、活用した方がいいと思います。

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岡田 隆

1980年、愛知県生まれ。日体大准教授、柔道全日本男子チーム体力強化部門長、理学療法士。16年リオデジャネイロ五輪では、柔道7階級のメダル制覇に貢献。大学で教鞭を執りつつ、骨格筋評論家として「バズーカ岡田」の異名でテレビ、雑誌などメディアでも活躍。トレーニング科学からボディメーク、健康、ダイエットなど幅広いテーマで情報を発信する。また、現役ボディビルダーでもあり、2016年に日本社会人ボディビル選手権大会で優勝。「つけたいところに最速で筋肉をつける技術」「HIIT 体脂肪が落ちる最強トレーニング」(ともにサンマーク出版)他、著書多数。バズーカ岡田公式サイトhttps://bazooka-okada.jp/

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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