“筋肥大の呪い”にかかってませんか 「週3で鍛える」の義務感に駆られ、陥る不安
「THE ANSWER」の連載「骨格筋評論家・バズーカ岡田の『最強の筋肉ゼミ』」。現役ボディビルダーであり、「バズーカ岡田」の異名でメディアでも活躍する岡田隆氏(日体大准教授)が日本の男女の“ボディメイクの悩み”に熱くお応えする。25限目のお題は「筋トレに感じてしまう義務感」について。
連載「骨格筋評論家・バズーカ岡田の『最強の筋肉ゼミ』25限目」
「THE ANSWER」の連載「骨格筋評論家・バズーカ岡田の『最強の筋肉ゼミ』」。現役ボディビルダーであり、「バズーカ岡田」の異名でメディアでも活躍する岡田隆氏(日体大准教授)が日本の男女の“ボディメイクの悩み”に熱くお応えする。25限目のお題は「筋トレに感じてしまう義務感」について。
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Q.3か月以上、週3でジムトレーニングを継続していましたが、最近は仕事が超忙しく、思うように行けません。せっかく作った体が元に戻ってしまうのではないか、と不安で仕方ありません。正直、残業や彼女とデートする時間があったらジムに行きたいぐらいです……。
わかります。筋トレのボリュームを減らす、タンパク質の量を減らす。うまくいっている習慣を崩すことは怖いですよね。
私も、ボディビルの全国大会に照準を合わせた年、「結果を出すには何がなんでもジムに行かなければダメだ」という考えに縛られていました。「今日はこのパーツのトレーニングをしなければならない」から逆算し、何時にジムに行かないといけない、そのためには何時には仕事を終わらなくてはいけない、何時に何を食べなければいけないなど、生活すべてをジムでのトレーニングを軸にコントロールしていたので、かなり窮屈な思いをしていましたね。
海外出張が入ると、それこそ大変です。トレーニングで全身を追い込んでそのまま搭乗し、出国のフライトでリカバリー。帰国後は飛行機を降りたその足で、空港からジムに直行するなどもしていましたね。さらに、現地に利用しやすいジムがないかもしれないという不安。あったとしても器具があまりないかもしれないという不安。いつも摂っているサプリメントを日にち分、用意して日本からわざわざ持っていかないといけないわずらわしさ。その精神的ストレスや負担は非常に大きかったです。
今思うと、完全に筋トレに生活の主導権を握られ、自分の生活なのに自分でコントロールできなくなっていました。まさしく、筋トレの呪縛。筋肥大の呪いです。
しかし、いつまでも自分の肉体改造のみに強くとらわれてしまうと、生活が狭小化します。友達や仕事仲間との飲み会は全部断るようになるし、彼女や家族との約束も二の次になるからです。また、仕事のパフォーマンスにも影響を及ぼします。