違いは「目を使うか、耳を使うか」 サッカー技術指導コーチが語る“ブラサカ”の奥深さ
世界3強に勝つには「ドリブルという個の能力を引き上げるだけでは難しい」
ところが全盲の選手たちは、ほとんど常時自分がどこにいて、相手がどんな配置になっているか認識しているのだという。
「ブラインドサッカーでは、どうしてもドリブル主体の攻撃が多くなります。パスを受けるのが難しいので、パス交換をすればそれだけボールを失うリスクが高まるわけです」
現在ブラジルとアルゼンチンが二強で、中国が続き、日本はセカンドグループで追いかける状況。現状では「ドリブルという個の能力を引き上げるだけでは3強に勝つのは難しい」と、中川は分析する。
「だからもっとパスを多用し、コンビネーションやポゼッションなども加えて崩せるようにしていきたいですね」
ブラインドサッカーの日本代表は、新境地を切り拓こうとしている。
(文中敬称略)
(第2回へ続く)
(加部 究 / Kiwamu Kabe)