【東京五輪こぼれ話】大会を陰で支えたボランティアにとっての“金メダル”は?
ジョコビッチに感謝の声、人気のピンバッジはボランティアの“金メダル”
異例の無観客となり、選手は声援のない会場でプレーした。少しでも選手を激励しようと選手村や競技会場で行われたのがボランティアやスタッフによる折り紙作り。国旗や花、日本らしい手裏剣のプレゼントなどが話題になった。
一方で、東京の猛暑により、サッカー男子3位決定戦と女子決勝はスケジュールと会場(女子のみ)が前日に変更。有明テニスの森では試合球を運ぶボールパーソンが熱中症で倒れたことも報道された。ノバク・ジョコビッチが試合時間の変更を要求して認められ、現場からは「ジョコビッチ選手が言ってくれてありがたかった。外のコートはマジでやばかった。ボールパーソンは意識が遠のき、膝から崩れ落ちていた」と感謝が続いた。
無観客になって思わぬ“恩恵”を受けた人もいる。それは、世界中から集まったカメラマンたち。会場では選手の試合を最前列で撮影できるカメラマンの数は限られる。入れなかったカメラマンは通常、客席の上段などに配置されるが、無観客のため一部会場では客席を開放した。VIP席以外では自由にカメラを構えることができ、「フォトグラファーからの要望もあった。無観客ならではですね。いい写真が撮れたと思います」と運営スタッフ。
国際交流は限られた場所で行われた。ピンバッジを交換する「ピントレーディング」が活発だったのは開会式のとき。選手団の多い大国よりも、人数が少ない国のピンバッジが希少性から求められた。また、国内外から視線を集めたのはボランティア限定のピンバッジ。ボランティアは活動頻度によって、金、銀、銅のピンバッジがもらえる。金のピンバッジは10回以上参加のボランティアに限定して贈られ、「コレクターが必死に集めているくらい」という。
(THE ANSWER編集部)