【東京五輪こぼれ話】大会を陰で支えたボランティアにとっての“金メダル”は?
17日間に渡り熱戦が繰り広げられた東京五輪は8日、国立競技場で閉会式を迎えた。新型コロナウイルス感染防止策がとられる中での異例ずくめ五輪。当初は盛り上がりが不安視されたものの、日本のメダルラッシュが沸き起こった。一方で、屋外競技では選手は暑さとの闘いに苦しんだ。選手村や競技会場の関係者から聞こえてきたこぼれ話をまとめた。(取材・文=THE ANSWER編集部)
公式グッズショップは大盛況 選手村はジャパンフードが席巻
17日間に渡り熱戦が繰り広げられた東京五輪は8日、国立競技場で閉会式を迎えた。新型コロナウイルス感染防止策がとられる中での異例ずくめ五輪。当初は盛り上がりが不安視されたものの、日本のメダルラッシュが沸き起こった。一方で、屋外競技では選手は暑さとの闘いに苦しんだ。選手村や競技会場の関係者から聞こえてきたこぼれ話をまとめた。(取材・文=THE ANSWER編集部)
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未曾有のコロナ禍でも「安心安全な大会」を謳い、実施された1年遅れの東京五輪。開幕前は盛り上がりに欠ける印象はぬぐえなかったが、いざ蓋を開けると、選手たちの活躍が目立った。ドローンやピクトグラムのパフォーマンスで注目された開会式の世帯視聴率は56.4%を記録(関東地区、ビデオリサーチ調べ)。1964年以来、57年ぶりの東京五輪に注目した国民は多かった。翌日から柔道のメダルラッシュで火が付き、日本はリオ五輪を超える史上最多58個のメダルを獲得した。
雨模様だった閉会式直前の週末、都内のオフィシャルショップには多くの客が見られた。人気は野球やサッカーなどのピンバッジ、マスコットのぬいぐるみ、記念タオルで、売り切れる商品もあり、店員は慌ただしく補充に追われた。店員によると、マスコットは「ミライトワがソメイティを圧倒ですね。ソメイティは女の子だけですが、ミライトワは男の子も女の子にも人気が高い」という。
五輪の空気を感じられる都内のスポットもある。お台場の聖火台には連日、人が訪れた。国立競技場裏にある五輪マークには列ができた。晴海の選手村前も人気で、色とりどりの国旗が掲げられたマンションをバックに撮影したり、往来する選手バスに手を振ったりして楽しむファンの姿が見られた。晴海大橋は、眼下にランニングや散歩をする選手の姿が望めるとあって、カメラを持った人々も。外国人選手も笑顔で歓声に応えていた。
選手村ではメインダイニングが好評だった。デザートコーナーの横に日本のお菓子コーナーが設置され、アポロやきのこの山など日本人におなじみのお菓子が並んだ。選手村滞在はロンドンやリオに続き3度目という関係者は「お菓子でポケットを満タンにして帰る外国人が多かった。みんなメインダイニングはよかったと言っている。ラーメンはロンドンやリオの選手村にはなかったもの。日本のアイス、ギョーザも人気だった」。日本流の食のおもてなしが、選手たちの胃袋を満たしていた。
国際オリンピック委員会(IOC)の会見中に大学生ボランティアが“飛び入り”するハプニングが発生。食事の質と量が不足しているとして、内容の改善とフードロス削減を直訴した。ボランティアの食事は、担当会場によって内容に差があった。この大学生の行動で状況は改善し、「今まで弁当は1個だったのが、あの会見の翌日から何個でも食べられるようになった」「ニュースが出た後から、レストランの人から『破棄するのがもったいないのでお弁当を持っていってください』と言われるようになった。食中毒が怖いので、持ち帰る人には『今日中に食べて』と必ず呼びかけていました」と歓迎された。