直接の触れ合いは難しくても虜にするおもてなし

　23日に開幕した東京五輪は各競技で熱戦が繰り広げられているが、コロナ禍で行動制限のある海外選手たちを日本の子供たちの“おもてなし”が虜にしている。各国の代表SNSがアップした中、アイルランド代表は沿道から浴衣姿でメッセージを掲げた少女3人に感激した。

　アイルランド代表公式ツイッターが25日にアップしたのは日本の少女3人。浴衣姿でマスクをつけ、カメラに向かってピースしているが、2人の手にはうちわがあり、それぞれ「Welcome to JAPAN」「Welcome to TOKYO」と手書きのメッセージ入り団扇を掲げている。「観客はいないかもしれない。しかし、毎日日本の人々は沿道に並んで我々の健闘を祈り、歓迎してくれる。アイルランド選手団みんなから、Arigato」と感謝を記した。

　同様に米国のレスリング協会公式ツイッターは事前合宿地の岐阜・中津川でバスの移動中、沿道でマスク姿の子供と保護者らが米国国旗を振り、「頑張れ～」「ハロー」という微笑ましく歓迎した動画をアップ。選手のサラ・ヒルデブラントも「これが私の心をどれほど温めたことでしょう！」「ホストの街全体が私たちを応援してくれました。これこそオリンピックの精神です」と胸打たれたことをツイートした。

　ほかにも、テコンドーの競技会場には子供たちが育てたたくさんのあさがおの花が設置され、「がんばれ！」「みんなで応援しています」「金メダル目指して頑張ってください」などのメッセージも添えられている。英公共放送局「BBC」のリポーター、ニック・ホープ氏はツイッターで「日本の地元の子どもたちに感謝する時間を作りましょう。会場で選手を応援できないことは残念なことだけど、一緒にいます」とレポートした。

　コロナ禍により直接触れ合っての交流は難しいものの、それぞれが思いを尽くし、来日した海外選手を歓迎している。そのおもてなしの心は確かに届いているようだ。