イングランドFLの日本戦出場停止に母国メディア疑問視「不均衡な判定」「笑劇へ落ちぶれる危機」
ラグビーワールドカップ(W杯)フランス大会に出場中のイングランド代表FLトム・カリーが2試合の出場停止処分を受けたことが13日、国際統括団体のワールドラグビーから発表された。17日(日本時間18日)の日本とのプールD第2戦に出場できない。母国の英メディアは「困惑しているサポーターもいる」「不均衡な判定により台無しになりかねない」などと、他の選手への判定との差を指摘している。
ラグビーW杯、日本は17日にイングランドと激突
ラグビーワールドカップ(W杯)フランス大会に出場中のイングランド代表FLトム・カリーが2試合の出場停止処分を受けたことが13日、国際統括団体のワールドラグビーから発表された。17日(日本時間18日)の日本とのプールD第2戦に出場できない。母国の英メディアは「困惑しているサポーターもいる」「不均衡な判定により台無しになりかねない」などと、他の選手への判定との差を指摘している。
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FWの主軸だったカリーは9日(日本時間10日)のアルゼンチンとの初戦にスタメン。しかし、前半3分にハイボールを捕ろうとジャンプした相手FBにチャージをかけ、着地後に頭部が相手の顔に入った。当初はシンビン(10分間の一時的退場)だったが、今大会から導入された専任の審判員による映像判定「バンカーシステム」により危険タックルと判断され、レッドカードの退場処分を受けていた。
13日、ワールドラグビーが出場停止処分を発表。日本、チリ、サモアを相手とした3試合が対象だが、サモア戦はコーチング介入プログラムを終了すれば出場可能になる。
この判断に、地元メディアは疑問を呈した。英紙「ガーディアン」は「南アフリカのジェシー・クリエルとチリのマーティン・シグレンが同じとは言わないまでも似たタックルで処分されなかった一方で、カリーが処分されたことについてまだ困惑しているサポーターもいる」と指摘した。
英紙「イブニング・スタンダード」も「ラグビーW杯は判定の不整合を根絶しない限り、笑劇へと落ちぶれる危機にある」との見出しで、「審判団は頭部と頭部の衝突に関して、整合性を見つけなければならない。それも早く。さもなくば、このラグビーW杯は不平等によって損なわれてしまう」「3つの類似した事例がフランスで行われている国際的大会の開幕週に起こったが、判定の結果に統一見解はゼロだった」と、ガーディアン紙と同じく3つの事例に統一性が見られなかったことを疑問視した。
日本戦でカリー同様に危険タックルと判断されたシグレンはイエローカードの提示。南アフリカのクリエルはお咎めなしだった。「イブニング・スタンダード」では「ある選手は3試合の出場停止、別の選手は処分なしとなれば、ノックアウトステージは不均衡な判定により台無しになりかねない」「ワールドラグビーがより低いタックルを推進し、選手の安全を向上させるのは引き続き不可欠だ。しかし、世界最高の審判たちでさえ、同様の事例を1つの明白な方法で裁くことができなければ、そのスポーツは大きな問題を抱えている」とも訴えていた。イングランドは主将のSOファレルも日本戦に出場できず、主力2人を欠くことになる。
(THE ANSWER編集部)