「日本人は世界で最も素晴らしい」 キヤノンFLカークが豪州火災募金で感動
ラグビーのトップリーグ(TL)第4節は2日、キヤノン―パナソニック戦が東京・町田GIONスタジアムで行われ、パナソニックが51-17で開幕4連勝を飾った。試合前には、FLエドワード・カークらキヤノンの選手が大規模な森林火災が続いているオーストラリアへの募金活動を行った。
森林火災続く豪州出身、町田GIONスタジアムで試合前に募金活動を実施
ラグビーのトップリーグ(TL)第4節は2日、キヤノン―パナソニック戦が東京・町田GIONスタジアムで行われ、パナソニックが51-17で開幕4連勝を飾った。試合前には、FLエドワード・カークらキヤノンの選手が大規模な森林火災が続いているオーストラリアへの募金活動を行った。
母国の非常事態。何とかしたかった。オーストラリア・ブリスベン出身のカークは、1日にスーパーラグビー(SR)・サンウルブズの試合に参加。出場はなかったものの、疲労等を考慮されてこの日の試合は出場しなかった。その分、試合前にチームメートと募金活動に積極的に参加。スーツ姿で「コンニチハー」「アリガトウゴザイマス!」「(子どもに)コワクナイヨー」など日本語で気さくに声をかけながら、写真撮影やサインに応じた。
「(募金活動は)明らかにとても良いこと。今日、試合が開催され、日本人が他国のことを思い募金をしてくれているのは素晴らしいと思っています。控えめに言ってもオーストラリアでは多くの人が苦しんで、東海岸は特に被害を受けています。ここで募金を受け取ることで、私の母国にそのお金を送ることができます。森林火災は今も自分にとって身近なことだと感じています」
トップリーグでは、森林火災に対して第4節から第7節の試合会場で募金活動を実施予定。全16チームの主将らで構成される「リーダー会議」の発案だ。オーストラリア人選手が多くプレーするトップリーグとして協力をしたいという思いから始まった。集まった募金は、日本ラグビー協会が東日本大震災で被災したラグビーファミリーへの支援を目的として設立した「JRFUラグビーファミリー支援会」を通じ、オーストラリアラグビー協会へ寄付される。第4節は町田のほか、全5会場の試合で実施された。
カーク曰く、出身地のブリスベン自体は問題がないというが「私たちはラッキーでした。家を失うことがなかったからです。でも、シドニーやメルボルンがある州の人たちへの影響は甚大でした」。被害の大きさには、ひどく心を痛めている。
自身の家族や友人とは「問題なく過ごしているといいね」「すべてが順調ならいいね」と連絡を取り合っているという。「日本にいるわけですからメールでの連絡くらいしかできることがありません。辛かったですね」と神妙に話した。
この日行った活動では、多くのファンが募金をしてくれた。遠く離れた日本でも、心を痛めて協力しようとしてくれる人々がいると実感。「日本人は世界でも最も素晴らしい人たちです。オーストラリアからここに来て、なんて日本のファンは素晴らしいんだと思いましたよ。非常に寛大ですし、ラグビーの応援に時間もお金も捧げてくれます。日本のファンが大好きです」と改めて感謝を口にした。
サンウルブスは、1日の開幕戦を勝利した。「観衆は『ラグビー現象』と言って良いくらい多かったですね。今日もラグビーを応援しにたくさんのファンが詰めかけてくれています。とても良い雰囲気です」。ラグビーで活躍する姿を見せることで、ファンにせめてもの恩返しをしたいと願っている。
(THE ANSWER編集部・宮内 宏哉 / Hiroya Miyauchi)