夜8時を回る神対応 五輪4度の飯塚翔太「むしろ嬉しい」レース後100人交流、胸に少年時代の記憶
2025年は東京世界陸上が開催されるなど、陸上界で数多くの話題が生まれた。各大会を取材した「THE ANSWER」では、選手たちが生み出した印象に残るシーンをカメラマンの写真とともに振り返る。

THE ANSWER編集部・カメラマンフォトコラム
2025年は東京世界陸上が開催されるなど、陸上界で数多くの話題が生まれた。各大会を取材した「THE ANSWER」では、選手たちが生み出した印象に残るシーンをカメラマンの写真とともに振り返る。
8月に行われた日本グランプリ(GP)シリーズ・アスリートナイトゲームズin福井の試合後、会場外で34歳・飯塚翔太(ミズノ)がファンサービス。列が途切れるまで交流した“神対応”の裏には、ファンと同じ気持ちがあった。(写真・文=THE ANSWER編集部・中戸川 知世)
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撮影を終えた午後7時過ぎ。9.98スタジアムの外に、長蛇の列を発見した。
先頭にいたのは男子200メートルに出場したベテラン飯塚。100人近くのサインや記念撮影に快く応じていた。一人一人と目を合わせ、声かけまでする丁寧な対応ぶりだった。
決勝では20秒75の4位。レース3時間後の交流でサインをもらい「すごー!」と興奮するファンも。列はなかなか途切れず、最後は警備員が区切りをつけた。時計は午後8時を回っていた。

なぜここまで親切なのか。本人に聞くと、小学生時代の経験が大きいという。
ファンとして訪れた静岡国際陸上競技大会で、棒高跳びの日本記録保持者・澤野大地さんや、女子走幅跳びの元日本記録保持者である井村(旧姓・池田)久美子さんにサインをもらった。当時の喜びは消えない。
「名前を書いてもらって嬉しかったんですよ。ずっと覚えている。僕にとっては一瞬ですけど、ファンの方にはちょっとした思い出になる。選手に声をかけづらいのも分かるので、自分から『やりましょうか』と書きに行くこともあります」
長時間、立ちっぱなしでも「(試合とは)別腹っす(笑)。おしゃべり好きなんで」。五輪4回、世界陸上6回出場のスプリンター。疲れも見せず「むしろ、嬉しい。選手としてありがたいことで好きっすね」と実に爽やかだった。
(THE ANSWER編集部・中戸川 知世 / Chise Nakatogawa)
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