W杯で逆転トライ、屈強なイタリアWTBが生んだ狂おしい一体感 感情爆発の瞬間をレンズ越しに見た
今月開幕し、熱戦が繰り広げられているラグビーワールドカップ(W杯)フランス大会。「THE ANSWER」は開幕戦から決勝戦まで現地取材するカメラマン・イワモトアキト氏のフォトコラムを随時掲載する。今回は20日(日本時間21日)のイタリア―ウルグアイ戦から、苦境を打ち破る逆転トライを決めたWTBモンタナ・イオアネ(イタリア)。
ラグビーW杯フランス大会 カメラマン・イワモトアキト氏のフォトコラム
今月開幕し、熱戦が繰り広げられているラグビーワールドカップ(W杯)フランス大会。「THE ANSWER」は開幕戦から決勝戦まで現地取材するカメラマン・イワモトアキト氏のフォトコラムを随時掲載する。今回は20日(日本時間21日)のイタリア―ウルグアイ戦から、苦境を打ち破る逆転トライを決めたWTBモンタナ・イオアネ(イタリア)。
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前半でイエローカードが2枚、ため息の出るTMO、攻めてはチャンスで味方がトライの邪魔をした。フラストレーションがたまる局面をモンタナ・イオアネがぶち抜いた。
大木のような太ももから首元、こめかみにまで彫られたいかついタトゥー。ぎらつく目は飢えた獣のようだった。後半12分にボールを持つと、稲妻のようにウルグアイのディフェンスを切り裂きインゴールへと飛び込んだ。
逆転のトライ、スタンドの観客に向かって喜びを爆発させるイオアネにティフォシ(熱狂的なイタリアファン)たちが呼応する。プレーヤーとファンがひとつになるこの瞬間、狂おしいほどの一体感、この感覚がたまらない。
イタリアは、ナミビアとウルグアイにボーナスポイントを得ての勝利。残るニュージーランドとフランスのどちらかに勝てば悲願の決勝トーナメント進出に手が届く。
「We have a crazy attacking system」―。イオアネは試合後の会見で、次戦の相手となるニュージーランドに向けて自信を見せた。予定調和は無用だ、番狂わせこそW杯の醍醐味だ。
■イワモト アキト / Akito Iwamoto
フォトグラファー、ライター。名古屋市生まれ。明治大を経て2008年に中日新聞入社。記者として街ネタや事件事故、行政など幅広く取材。11年から同社写真部へ異動。18年サッカーW杯ロシア大会、19年ラグビーW杯日本大会を撮影。21年にフリーランスとなり、現在はラグビー日本代表の試合撮影のほか、JAPAN RUGBY LEAGUE ONEオフィシャルフォトグラファーを務める。
(イワモト アキト / Akito Iwamoto)