日本代表には「33人それぞれに役割がある」 試合に出られない10人のノンメンバーが作り出す空気
8日(日本時間9日)に開幕したラグビーワールドカップ(W杯)フランス大会。「THE ANSWER」は開幕戦から決勝戦まで現地取材するカメラマン・イワモトアキト氏のフォトコラムを随時掲載する。今回は日本代表を支えるノンメンバーたちの存在。
ラグビーW杯フランス大会 カメラマン・イワモトアキト氏のフォトコラム
8日(日本時間9日)に開幕したラグビーワールドカップ(W杯)フランス大会。「THE ANSWER」は開幕戦から決勝戦まで現地取材するカメラマン・イワモトアキト氏のフォトコラムを随時掲載する。今回は日本代表を支えるノンメンバーたちの存在。
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垣永「チームに貢献できたって言ってもらえたことは素直に嬉しかった」
ハラシリ「僕も一緒です」
堀越「僕も一緒です」
顔を見合わせておどける3人の微笑ましい姿に、会見場は笑いに包まれた。20日、モナコで開かれた日本代表の取材機会で、垣永、ハラシリ、堀越の3人が、試合に向けた雰囲気作りやサポートなどチーム貢献度の高いプレーヤーとして表彰されたことが津久井信介メディアマネージャーから伝えられた。
「試合に出る、出ないは関係ない。自分のできることを全うするだけ」。そう話す垣永の言葉から強い意志が伝わってきた。W杯への登録メンバーは33人、うち試合に出場できるのは23人、毎回10人は出られないことになる。
試合に出る23人は週の初めにジョセフHCから告げられるという。当然、出られない選手たちの思いは複雑だ。試合に出たいに決まってる。悔しさがないわけない。W杯、世界最高の舞台が目の前にあるのだから。
ただ、自分の思い以上にチームへの思いは強い。「チームが勝つために。33人それぞれに役割がある」と堀越は胸を張る。イングランド戦、日本の強いスクラムを支えたのは、研究を重ね、仮想敵として練習相手となった堀越らノンメンバーの存在があってこそ。
「ジェイ(ハラシリの愛称)は、シャイであまりしゃべらないけど周りからは認められている存在なんです」。口下手なハラシリに代わって津久井メディアマネージャーが言葉を添える。ハラシリの明るい雰囲気作りがあってこそ、前を向いて強敵に向かっていける。
誰が欠けてもいけない。選ばれなかった、離脱を余儀なくされた、W杯に辿り着けなかった選手の思いも背負って彼らは全員で戦っている。その思いが報われるのは勝利の瞬間だ。
1週間後のサモア戦、「OUR TEAM」の笑顔が見たい。
(イワモト アキト / Akito Iwamoto)