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汗をぬぐう横浜のエースと照らされたスタンド 最高気温35度、熱戦神奈川の“夏”を感じた一枚

第105回全国高校野球選手権・神奈川大会は8日から熱戦が繰り広げられている。「THE ANSWER」は新人カメラマンのフォトコラムを連日掲載。今回は、猛暑のマウンドで力投した横浜のエース・杉山遙希(3年)。16日にサーティーフォー保土ヶ谷で行われた4回戦で湘南工大附に13-3で5回コールド勝ち。紫外線に弱い病を持ちながら、杉山は暑さに負けない奮投で勝利に導いた。(写真・文=THE ANSWER編集部・中戸川 知世)

ネクストバッターサークルで汗をぬぐう横浜・杉山遙希、応援席も強い日差しに照らされていた【写真:中戸川知世】
ネクストバッターサークルで汗をぬぐう横浜・杉山遙希、応援席も強い日差しに照らされていた【写真:中戸川知世】

THE ANSWER編集部・新人カメラマン「夏の高校野球神奈川大会フォトコラム」

 第105回全国高校野球選手権・神奈川大会は8日から熱戦が繰り広げられている。「THE ANSWER」は新人カメラマンのフォトコラムを連日掲載。今回は、猛暑のマウンドで力投した横浜のエース・杉山遙希(3年)。16日にサーティーフォー保土ヶ谷で行われた4回戦で湘南工大附に13-3で5回コールド勝ち。紫外線に弱い病を持ちながら、杉山は暑さに負けない奮投で勝利に導いた。(写真・文=THE ANSWER編集部・中戸川 知世)

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 ネクストバッターサークルに立つ横浜の背番号1が、ヘルメットとサングラスを外した。額に伝う汗を、そっと腕でぬぐう。その瞬間に切ったシャッター。赤と黄が鮮やかな横浜の一塁側応援席も高い位置の太陽に照らされ、色濃く映った。

 最高気温35度まで上がったサーティーフォー保土ヶ谷。球場はジリジリと肌が焼かれるような暑さだった。午前10時2分開始の第1試合は出塁した選手に相手校が水分を渡して気遣う場面や、さらに気温が上がる午後1時25分に始まった横浜の第2試合は球審が体調不良で交代する場面も。

攻守交替で水分補給する横浜の選手【写真:中戸川知世】
攻守交替で水分補給する横浜の選手【写真:中戸川知世】

 そんな灼熱のマウンドに立った杉山。「ランナーで出ることが多くて、息が切れてしまった」。3打席すべて安打で出塁。投球のみならず、攻撃でも体力を奪われた。

 翼状片という目の病気があり、紫外線を多く浴びると目に痛みが出る。打席ではサングラスを着用するが、登板時はかけられない。それでも、3失点しながら「痛いとか言ってられない。心を鬼にして」と強い精神で1人で投げ抜いた。

最高気温35度に上がったサーティーフォー保土ヶ谷、高い位置の太陽がグラウンド全体を照らしていた【写真:中戸川知世】
最高気温35度に上がったサーティーフォー保土ヶ谷、高い位置の太陽がグラウンド全体を照らしていた【写真:中戸川知世】

 帽子とアームカバー、凍ったペットボトルを用意して取材に臨んでいる私も、庇(ひさし)のあるカメラマン席に座っているだけで「暑い……」とうなだれてしまう。直射日光を浴び、走り回っているナインはその何倍も暑いに違いない。

 しかし、杉山は「投手陣は暑い時間に走り込んで、体力作りをしてきた。暑さにも慣れていかないと」と力強い。暑さを吹き飛ばす熱量でエネルギッシュにプレーする球児たち。その頑張りを現場の温度まるごと写真で届けていきたい。

(THE ANSWER編集部・中戸川 知世 / Chise Nakatogawa)

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