「やっぱり、高校野球は熱いな」 圧倒された神奈川古豪・鎌倉学園の伝統「全力校歌」の角度
第105回全国高校野球選手権・神奈川大会は8日から熱戦が繰り広げられている。「THE ANSWER」は新人カメラマンのフォトコラムを連日掲載。今回はセンバツ出場2度を誇る古豪・鎌倉学園の「全力校歌」。8日にサーティーフォー保土ヶ谷で行われた1回戦で横浜商大高に8-4で勝利後、ナインは体を反り返らせて、校歌を熱唱した。(写真・文=THE ANSWER編集部・中戸川 知世)
THE ANSWER編集部・新人カメラマン「夏の高校野球神奈川大会フォトコラム」
第105回全国高校野球選手権・神奈川大会は8日から熱戦が繰り広げられている。「THE ANSWER」は新人カメラマンのフォトコラムを連日掲載。今回はセンバツ出場2度を誇る古豪・鎌倉学園の「全力校歌」。8日にサーティーフォー保土ヶ谷で行われた1回戦で横浜商大高に8-4で勝利後、ナインは体を反り返らせて、校歌を熱唱した。(写真・文=THE ANSWER編集部・中戸川 知世)
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やっぱり、高校野球は熱いな。そう再認識した瞬間だった。
1回戦屈指の好カード。緊迫した試合をものにした鎌倉学園の選手たち20人が全身を反らし、空に向かって大声を響かせた。小節ごとに、球児たちの顔に太陽の光が降り注ぐ。夏の暑さか、全力の証か。顔は一様に紅潮し、首に血管が浮き出た。3200人が集まった球場全体を一気に釘付けにした。
153球で完投した右腕・面本和輝(2年)ら、実に2時間58分の死闘の疲れを感じさせず、夏1勝の嬉しさを歌に込めた。
第1試合の幕切れを一塁側カメラマン席でひと通り撮り終えた私は、第2試合に向けた取材に向かおうと準備をしていた。しかし、周りのカメラマンから「おぉ」と声が聞こえる。顔を上げると、目に入ったのが「全力校歌」だった。20人の気合と反らした腰の角度に圧倒され、急いでシャッターを切った。
応援に駆けつけたOBや保護者、吹奏楽部もスタンドで一緒に歌う。対角線の三塁側から大きな音が「ドン!」とぶつかってくるように感じる迫力。
鎌倉学園にとっては特別な校歌斉唱だった。昨年までコロナ禍の影響で応援歌も声が出せず。今年は制限が緩和された。勝利を想定し、全力校歌の練習も準備万端で臨んだ1回戦。4-4の7回に決勝タイムリーを放った7番・北野雄大三塁手(3年)は「応援団をフルで活用して歌えたのは幸せ」と至福の32秒間を振り返る。
夏の高校野球取材はこの日が初めて。26日の決勝まで19日間、こんな高校野球ならではの熱いシーンにいくつ出会えるのか。ワクワクのスタートになった。
(THE ANSWER編集部・中戸川 知世 / Chise Nakatogawa)