「ユヅは神に一番近い男」― 世界で愛される羽生結弦、米放送局が異例の大特集
スケートカナダの熱狂ぶり、地元空港は過去最高に忙しい週末との噂も
シアトルから実物大のくまのプーさんのぬいぐるみを持参し、観戦していたファンのデイビスさんは昨年の平昌五輪から羽生の虜になったと紹介。「彼に感動させられるの。情熱的で感情的なコネクションを彼のプログラムは持っていて、ファンに語りかけてくる。彼のスポーツに対する貢献、そして前進させる能力を見るのは素晴らしいわ」と語ったという。さらに、開催地ケロウナの観光局は3500人ものファンがスケートカナダのためやってきたと予測。その大多数が日本人だった。
同観光局によると、450万カナダドル(約3.7億円)の経済効果がスケートカナダによってもたらされたとし、人口12万7000人の町にとって「非常に大きな額だ」という。ケロウナの観光会社をバレンタイン社長は「スケートカナダの出場選手の名前が公表された途端、地元のホテルは日本からの予約が入り始めたと言っていた」と証言。町の噂では、これがケロウナ空港にとって今までで一番忙しい週末だったことも伝えている。それほど、羽生が出場する大会では影響力があるということだ。
そして、記事ではネイサン・チェン(米国)との一騎打ちが予想されるGPファイナルの行方とともに、羽生の今後のキャリアについても言及。五輪3連覇は1928年にギリス・グラフストローム(スウェーデン)が達成して以来、誰も成し得ていないと紹介した。解説者も務めている前述のワグナーが再び登場し、「簡単に説明すると、この選手は2つの五輪金メダルを持っていて、もはや競技に参加する理由はない。しかし、自分の最高のパフォーマンスを超えようとしている」と語ったという。
競技の結果ならば、すでに十分すぎるほどに残した。しかし、常に自分と闘い、過去の自分を超えようとしている羽生。ワグナーは「ユヅルは現時点で伝説になりつつあり、だからこそ、ネイサンと対決するのはエキサイティングなことなんです。それはネイサンがどれだけ才能に溢れているかも物語っている」と語り、今なお競技を続ける羽生のモチベーションを分析した。
記事では、羽生が去った後の日本のフィギュア界を憂慮する指摘も述べているが、今は心配ないと言及。「現段階で全て統括的に表現するならば、GPファイナルですべてのスケーターに幸運を祈る。プーさんの雨は再び降るだろう」と締めくくっている。フィギュアスケートという競技において唯一無二の存在となった羽生結弦。その存在感は米大手放送局も興味深く見つめている。
(THE ANSWER編集部)