桃田賢斗、「特別」な同級生・西本破って全日本V2「意地の張り合い、自然と楽しめた」
東京五輪の金メダル最有力候補が、日本のファンの前で負けるわけにはいかない。第73回全日本総合バドミントン選手権大会は1日に最終日を迎え、男子シングルス決勝は、世界ランク1位の桃田賢斗(NTT東日本)が2-0(21-14、21-12)で西本拳太(トナミ運輸)との日本A代表対決を制して連覇を飾った。互いに意識し合う同期対決で相手の実力も認めるところだが、このタイトルは譲れない。桃田は「(国際大会の)ツアーはいくつもあるけど、この大会は年に1回だけ。安易なミスはできない。高い精度で球をつないで攻められて良かった」と日本のファンの前でプレーできる貴重な大会の勝利を喜んだ。
西本拳太との日本A代表対決を制してV2「高い精度で球をつないで攻められた」
東京五輪の金メダル最有力候補が、日本のファンの前で負けるわけにはいかない。第73回全日本総合バドミントン選手権大会は1日に最終日を迎え、男子シングルス決勝は、世界ランク1位の桃田賢斗(NTT東日本)が2-0(21-14、21-12)で西本拳太(トナミ運輸)との日本A代表対決を制して連覇を飾った。互いに意識し合う同期対決で相手の実力も認めるところだが、このタイトルは譲れない。桃田は「(国際大会の)ツアーはいくつもあるけど、この大会は年に1回だけ。安易なミスはできない。高い精度で球をつないで攻められて良かった」と日本のファンの前でプレーできる貴重な大会の勝利を喜んだ。
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周りからのエネルギーをプレーで還元するような試合だった。一つの要因は日本のファンが見てくれる環境だということだが、もう一つ、西本という同級生との試合が、さらに試合を楽しいものにしていた。桃田は、試合中に西本がキレのあるヘアピン(ネット前からネット前に落とし返すショット)を打って来ると、クロスヘアピンを狙うなど、対抗心をのぞかせながら戦っていた。桃田は「彼との試合は、特別。同級生でライバル。意地の張り合いになる。こっちが力強いクリアを打つと、次のラリーでは西本選手が強打で打ち返してくる。質の高いラリーで決め合う展開になって楽しいし、お客さんも優しくて、自然と笑顔にもなる」と対戦相手への思いを明かした。
第1ゲームを先取した後、第2ゲームで8-6とリードした場面は、興味深かった。西本のクロススマッシュが桃田のバックハンド側へ鋭く決まったのだが、あまりのキレの良さに驚いた桃田はレシーブに飛びつこうとしながら、思わず「おおっ!」と驚嘆の声を漏らしていた。桃田は「普段、あんなところには飛んで来ない。予想外のコースで、チクショー!と思ったし、自然に楽しくなっていく」と笑顔でその場面を振り返った。
そして、もう一つ、プレッシャーとの戦いに勝ち続けた結果、メンタルコントロールができるようになっていることがうかがえた。2020年東京五輪の日本勢金メダルの最有力候補として注目は高まり、プレッシャーも強まるばかりだが、今季は国際大会で今季は10勝を挙げ、勝率も9割前後をキープ。「以前は、大丈夫かなと不安に思うこともあったけど、最近は、大丈夫だと自信を持ってコートに入ることができている。不安の中でもがきながら、負ける試合もあったけど、修正しながら戦い、結果も残せた。迷って(苦しんで)結果が出たときは、身になっている」と話した桃田は、自然体で戦えれば世界ナンバーワンの実力をいかんなく発揮できる。周囲に左右されず、不動の王者として戦い続ける姿は、揺るぎないものになりつつある。
今後は、国内のS/Jリーグを挟んで、年間成績上位8人のみが出場できるBWFワールドツアーファイナルズ(12月11日開幕、中国・広州)に挑む。前回大会は、順調に駒を進めたが、決勝では相手の攻撃力に動揺してショッキングな完敗を喫した。全日本を連覇した桃田の進化は、国際大会でも証明されるか、注目だ。
(平野 貴也 / Takaya Hirano)