チケット販売率99.3%は史上最高 ラグビーW杯の成功を支えたもう1つの「ONE TEAM」
チケット販売の両輪となった「エリア」と「デジタル」によるプロモーションとは
全48試合を販売見込みの高い順にAカード、Bカード、Cカードと分類し、それぞれのカテゴリーでの販売プランを立案。また、2018年1月からチケット先行販売が始まり、徐々に見えてきた購入抽選の申し込み状況を、事前の需要調査と掛け合わせながらデータをアップデート。その中でA・B・Cカードに生まれる差は対戦カードによるものなのか、開催される曜日なのか、キックオフ時間なのか、様々な視点を持ってデータの集計・解析を続けると、「一番大きなギャップが見えたのが“エリア(開催地域)”という要素だったんです」という。そこで立ち上がったプロジェクトが、エリアに特化したプロモーションだった。
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このプロジェクトでは、日本国内4エリア+海外担当の5チームを作り、それぞれにチケッティング部、マーケティング部、広報コミュニケーション部、開催都市部などからメンバーが集結。「組織の縦割りではなく横の連携を生かしながら、各エリアで役割を決めて、チケット販売につながるプロモーション活動を行いました」。開催都市の各組織委員会や自治体、日本ラグビーフットボール協会の各支部の協力も仰ぎながら、よりエリアの特性にあった細部まで行き届くプロモーションに着手した。プロジェクトに関わる人数はどんどん増えるが、この時、全員の心には共通する思いがあったという。
「必ず会場を満員にしよう、という思いは一緒でした。ラグビーもポジションによって役割分担はあるけれど、勝つという目標は一緒。このプロジェクトでもそれぞれ役割はありましたが、満員を目指す思いは所属部署や団体を超えた動きになりました。そう思う人が増えるほど、実現に向かう力は増えていく。『チケット、本当に売れるんですか?』というチャレンジには、大きなチームとなって向かっていくことが一番ですから」