井上拓真、判定負けで王座統一失敗 兄・尚弥に勝利のバトン繋げず、14戦目で初黒星
ボクシングのWBC世界バンタム級王座統一戦が7日、さいたまスーパーアリーナで行われ、暫定王者・井上拓真(大橋)と正規王者ノルディ・ウーバーリ(フランス)が激突。拓真は0-3の判定で敗れ、デビューから14戦目で初黒星。王座統一に失敗し、兄のWBA&IBF同級王者・尚弥へと勝利のバトンはつなげなかった。
WBCバンタム級王座統一戦
ボクシングのWBC世界バンタム級王座統一戦が7日、さいたまスーパーアリーナで行われ、暫定王者・井上拓真(大橋)と正規王者ノルディ・ウーバーリ(フランス)が激突。拓真は0-3の判定で敗れ、デビューから14戦目で初黒星。王座統一に失敗し、兄のWBA&IBF同級王者・尚弥へと勝利のバトンはつなげなかった。
初の兄弟ダブル世界戦。兄・尚弥の直前、セミファイナルのリングに上がった拓真だったが、難敵ウーバーリの前に屈した。
無敗同士の統一戦。1回は静かな立ち上がり、拓真は右のショートを当てて超満員の観衆が沸く。技術戦の様相を呈すが、3回にはウーバーリーの左がクリーンヒット。ロープに詰められ、被弾するシーンが続く。カウンターを狙いたい場面だが、ウーバーリも巧みに距離を取り、反撃できない。
4回には左ストレートをもろにもらい。たまらず尻餅。それでも立ち上がり、会場からの“拓真コール”にも押され、なんとか踏ん張る。ここまでの採点ではジャッジ3者がいずれもウーバーリを支持する展開となった。
なかなか反撃の糸口を掴めない拓真。カウンター気味の右を何度かヒットさせるが、単発で大きなダメージは与えられない。ややペースダウンしたウーバーリに決定打も浴びるシーンはなかったが、8回終了時点でもジャッジ3者が正規王者を支持する展開は変わらなかった。
倒さなければ勝機のなくなった拓真だが、キャリアで上回る相手に前進を阻まれ手数が出ない。12回にはダウン寸前まで追い込むも、倒しきることはできず。判定決着となったが、0-3の大差判定負けで王座統一はならなかった。
2歳上の尚弥の後を追い、ボクシングを始めた拓真。父・真吾トレーナーの指導を受け、2013年のプロデビュー。5戦目で東洋太平洋王座を獲得。16年12月には初めての世界挑戦が決まっていたが、練習中に右こぶしを痛め中止となる憂き目も味わっていた。
それでも昨年12月30日にペッチ・CPフレッシュマート(タイ)とWBC世界バンタム級暫定王座決定戦に臨み、3-0の判定で暫定王座を獲得。以来、312日ぶりの試合では「兄にバトンをつなぐ」と意気込んでいたが、ベルトを失ってしまった。
(THE ANSWER編集部・角野 敬介 / Keisuke Sumino)