元代表主将・箕内拓郎が大会ベスト15選出、日本から選んだ3選手は誰?
決勝、そして大会MVPには南アフリカFLデュトイ「彼なくして優勝はなし」
また、イングランドは南アフリカのディフェンスにかき回された印象があります。本来攻めたい方向を分析されていて、SHのデクラークに何度もディフェンスをかぶせられていました。自分たちのラグビーをさせてもらえませんでした。逆に南アフリカは、ディフェンスの読みが良かった。勝負をかけてくるイングランドの選手にしっかりプレスをかけていました。
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もしかすると、イングランドは南アフリカを分析するというよりも、自分たちのラグビーをすれば勝てるという自信があったのかもしれません。正直なところ、南アフリカに対する特別な工夫はあまり見えませんでした。結局は、自分たちのラグビーをさせてもらえなかったわけですが。
南アフリカは決勝に限らず、大会を通じて自分たちのスタイルを貫きました。それがフィジカルの強さを生かしたディフェンス。以前の南アフリカは割とムラのあるチームでしたが、エラスムスHCに代わってチームも変わりました。自分たちの強みは何かを理解しながら、ディフェンス強化に取り組んだ意識改革が見える大会になりましたね。
さて、決勝も含め、僕が今大会のMVPに推したいのは、南アフリカの7番・FLのピーターステフ・デュトイです。決して目立つタイプの選手ではありませんが、出場した5試合は80分間ずっと出続けた。安定したパフォーマンスを見せ、危機管理にも長けたクレバーな選手だと思います。身長2メートル、体重115キロ。あのサイズがあるのに休まずに動き続ける。180センチくらいの選手と同じ機敏な動きもできますし、相手の攻撃の芽を摘み取るのが上手い。ずっと80分間試合に出続けたのも、彼が替えの効かない選手だからでしょう。HCはなかなか外せない選手です。決勝で最後にコルビが決めたトライも、デュトイの働きがあったから。彼なくして、南アフリカの優勝はあり得なかったでしょう。