「未来は間違いなく明るい」 3位決定戦で敗れてもなおウェールズが感じた手応え
ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会は1日、東京スタジアムで3位決定戦が行われ、ウェールズは17-40でニュージーランドに敗れた。1987年の第1回大会以来の3位を狙ったが、ニュージーランドの壁は崩せなかった。この日、1トライを決めたウェールズのFBハラム・エーモスは「望んでいた結果ではない」としながらも、個人としてもチームとしても、未来に繋がる手応えを得たようだった。
2試合目の出場で今大会初トライの25歳エーモス「経験を必ず自分の成長に繋げて…」
ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会は1日、東京スタジアムで3位決定戦が行われ、ウェールズは17-40でニュージーランドに敗れた。1987年の第1回大会以来の3位を狙ったが、ニュージーランドの壁は崩せなかった。この日、1トライを決めたウェールズのFBハラム・エーモスは「望んでいた結果ではない」としながらも、個人としてもチームとしても、未来に繋がる手応えを得たようだった。
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試合後のミックスゾーンに姿を現したエーモスは、今大会全ての戦いを終えて、いっそ晴れ晴れとした表情を浮かべていた。チームは準決勝の南アフリカ戦でWTBジョージ・ノースが足の肉離れで途中交代するなど怪我人が続出。今大会2度目の出場となったエーモスは、貴重なチャンスを逃さなかった。
オールブラックスに前半開始早々、2トライを献上し、14点を追うウェールズだったが、18分に敵陣でパスを受けたエーモスが相手DFをかわしながらゴール左へトライ。SOリス・パッチェルのコンバージョンも決まり、1トライ1ゴール差とした。前半を終えて10-28。「まあまあだったけれど、特にオールブラックスのように質の高いチームが相手だと、突き放される可能性がある」。結果としては、突き放される形となったが、ボール支配率は61パーセント、ターンオーバーを許したのは8回と、いずれもニュージーランドを上回る成績で、たびたび敵陣深くまで攻め込んだ。
この試合を最後に、12年の代表ヘッドコーチ(HC)職から退いたウォーレン・ガットランドHCは、試合前に「僕らのアイデンティティーは諦めない精神だ、って思い出させてくれたんだ」とエーモスは振り返る。南アフリカと戦った準決勝から中4日での3位決定戦。かつ怪我人が続く中でベストメンバーを揃えられずに迎えた試合だったが、ノーサイドのホイッスルが鳴るまで戦い続けた。
その象徴的な存在が、ベテランLOアルンウィン・ジョーンズ主将だ。25歳のエーモスにとって、ジョーンズ主将はまさにウェールズ代表の象徴。「決して手を抜くことなく、最後までボールを追いかける姿。あれ以上のお手本はいない。代表チームにとって、彼の存在が与える意義はとてつもなく大きい」とリスペクトする。エーモスも今大会はノンメンバーとなることもあり、調整が難しい部分もあった。それでも敬愛するジョーンズ主将の日々努力する姿を見て「自分もいつ声が掛かってもいいように万全の状態をキープしていたんだ」と胸を張った。
ウェールズ代表にはエーモスの他にも、今大会最多タイの7トライを誇る24歳のWTBジョシュ・アダムズら、次回2023年のW杯出場を狙える若手選手が多い。「この大会で得た経験は必ず自分の成長に繋げて、次の大会で優勝を狙いたい。ウェールズの未来は間違いなく明るい」と自信を深めたエーモス。4年後、ウェールズがどんな進化を遂げているのか楽しみだ、
(THE ANSWER編集部・佐藤 直子 / Naoko Sato)