原点回帰で掴んだ勝利 オールブラックスが3位決定戦で再確認した「自分たちの形」
ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会は1日、東京スタジアムで3位決定戦が行われ、ニュージーランドが40-17でウェールズに勝利し、2003年以来4大会ぶりの3位となった。史上初となる3連覇の目標は叶わなかったが、最後を勝利で締めくくって笑顔。この日、1トライと5度のコンバージョンを成功させ、今大会通算54得点で田村優を抜いて“得点王”となったSOリッチー・モウンガは「最後に結果を出せて良かった」とホッとした笑顔を浮かべた。
1トライ+5コンバージョンで15得点のモウンガ、今大会通算54得点で田村抜きトップ
ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会は1日、東京スタジアムで3位決定戦が行われ、ニュージーランドが40-17でウェールズに勝利し、2003年以来4大会ぶりの3位となった。史上初となる3連覇の目標は叶わなかったが、最後を勝利で締めくくって笑顔。この日、1トライと5度のコンバージョンを成功させ、今大会通算54得点で田村優を抜いて“得点王”となったSOリッチー・モウンガは「最後に結果を出せて良かった」とホッとした笑顔を浮かべた。
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失意の敗戦から6日。黒のジャージを身にまとった戦士たちは、最後の戦いを勝利で飾るために立ち上がった。準決勝でイングランドに何もさせてもらえず、大会3連覇の夢を阻まれた。モウンガは「あの黒星を考えると、今でも胸が痛む。この試合(3位決定戦)を戦いたかったわけじゃない」とショックの大きさを隠さず。それでも気持ちを切り替え、「いい結果で締めくくるチャンスがもう一度ある」と前向きに臨んだ。
オールブラックスが選んだ道は「原点回帰」だった。「足でかき回すつもりだった。ボールを持ってプレーするのが自分たちの形。キック2つ目の選択肢だ」とモウンガが語る通り、この日はステップで相手DFをずらしたり、飛ばしパスで外にスペースを作ったり、自分たちでスペースを作りながら縦に攻め込み、大きくゲインした。終わってみれば6トライの圧勝。モウンガは試合後、「友人と呼べる仲間とグラウンドに出て、ボールを回すなんて、本当に幸せなこと。子供の頃に感じた楽しさを今日体験できたことが大きな助けになった」と振り返った。
もう一つ「助け」になったことがある。それは主将キーラン・リードら今大会を最後に代表から引退するベテランの存在だ。モウンガは「リードをはじめ他の選手たちも、全てを投げ出し、多くを犠牲にしながら、この黒いジャージのために尽くしてくれた。家族と離れ、何度もギリギリまで体を追い込む。彼らこそ、このジャージを誇れる理由であり、ニュージーランドが誇れる理由でもあるんだ」と感謝。スティーブ・ハンセンヘッドコーチも含め、“卒業組”を笑顔で見送りたかったという。
史上初の3連覇は逃したが、次に繋がるステップとして3位を獲得した。最後まで諦めなかった誇りと、準決勝で負けた悔しさを胸に、また4年後を目指して戦い始める。
(THE ANSWER編集部・佐藤 直子 / Naoko Sato)