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「叫び」に応え続けた14年間 代表引退のアイルランド主将を送った“一人花道”

オールブラックス主将リード「ラグビー界のレジェンドだ」

 今大会では試合後、勝ったチームも負けたチームも、互いのために花道を作り、拍手で送るスタイルが定着している。この日、試合後に生まれたのは、アイルランドとニュージーランド両代表選手が一緒に作ったベスト一人に捧げる花道だった。途中出場したSHルーク・マグラーが「自然と生まれた花道だった。代表チームで同じ時間を過ごせたことが、僕にとっての宝物」と話せば、オールブラックスの主将キーラン・リードは「ラグビー界のレジェンドだ」と称えた。

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 試合後の記者会見では、とにかく敗戦を悔しがった。「今はただ疲れています。普段は個性豊かな選手たちだが、ロッカーは物音ひとつ立たないくらいの静けさ。大男たちが涙を流している。身も心も捧げた大会だったから」と言葉を紡いだ。所属クラブではプレーし続けるが、もう代表としてプレーすることはない。最後に「もう緑のジャージに袖を通すことがないと思うと、少し戸惑いがある。着るとすれば、応援する時だけだな」と言うと、寂しげな笑顔を浮かべた。

 同じく、この試合を最後にHC職を退くシュミットHCと一緒に、試合後はチーム全員に感謝の言葉を伝えたという。その様子を「本当に心が揺さぶられるものだった」と振り返ったマグラーは、少し言葉を詰まらせたほどだ。チーム広報によると、代表として公式の引退セレモニーは用意していないが、有志でベストの残した功績を盛大に祝う予定だという。「有志とは言っても、間違いなくチーム全員が参加するけれど」。

 主将としてアイルランドを一つのチームにまとめ上げ、一度は世界ランク1位まで牽引したベスト。「Ireland’s Call(アイルランドの叫び)」に応え続けた14年の代表生活が、デビュー戦と同じ、ニュージーランド戦で幕を下ろしたのも、運命だったのかもしれない。

(THE ANSWER編集部・佐藤 直子 / Naoko Sato)


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