日本が“奇跡を超える奇跡” 世界2位アイルランドから大金星、開幕2連勝で決勝T前進
ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会は28日、A組第2戦で世界ランク9位日本が同2位アイルランドと静岡・エコパスタジアムで対戦し、19-12で撃破。歴史的金星を挙げ、開幕2連勝で勝ち点9に伸ばし、初の決勝トーナメント進出に前進した。
4年前の南アフリカ戦を超える奇跡に静岡が熱狂
ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会は28日、A組第2戦で世界ランク9位日本が同2位アイルランドと静岡・エコパスタジアムで対戦し、19-12で撃破。歴史的金星を挙げ、開幕2連勝で勝ち点9に伸ばし、初の決勝トーナメント進出に前進した。
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日本は先発予定だったトゥポウが左太もも裏の故障でベンチから外れ、レメキをスタメンに起用。開幕前の強化試合で右ふくらはぎを痛めていた福岡をリザーブに入れ、世界ランク2位のアイルランドに挑んだ。
開始直後から会場に「ニッポン」コールが沸き起こる中、前半3分、最初に見せ場を作ったのは日本だ。右サイドの展開からキックパスで松島が裏に飛び出したが、アイルランドがギリギリでトライを阻止。しかし、直後の5分、正面約40メートルで反則をもらい、田村がペナルティゴールを狙ったが、これは惜しくも外れた。
アイルランドが猛攻に出た。13分、中央の展開からマレーの右サイドへキックパス。これをリングローズがダイレクトでキャッチして先制トライを決め、5-0とリードした。直後、日本も反撃する。17分、敵陣中央でファウルをもらうと、田村が約35メートルの位置から今度は落ち着いて決め、5-3と詰め寄った。
前半20分、今度はアイルランドが魅せた。左右に振るワイドな展開からSOカーティが足ではたいたボールをカーニーが抑え、そのまま飛び込んだ。TMO(ビデオ判定)の結果トライに。ゴールも決められ、12-3と日本を突き放した。日本も食い下がる。25分には再び、裏のスペースにキックで転がし、松島らが走ったが、ゴール1メートルでアイルランドが抑え、トライならず。
日本は30分に交代カードを切った。マフィに代えて主将のリーチマイケルを投入。直後の相手ラインアウトを奪うと、一気に攻勢に出た。最後は相手のペナルティをもらい、ショットを選択。田村がしっかりと決めた。39分にも田村がPGを決め、3点差に詰め寄り、アイルランドが12-9とリードして前半を折り返した。
運命の後半は膠着状態が続いた。互いに決定機を作り切れない展開。後半8分、田村が遠い位置からペナルティキックを狙うが、これは決まらず。日本は10分に山中に代えて福岡、13分に具に代えてヴァル、16分に流に代えて田中を投入し、活性化を図る。そして、18分だった。
敵陣深くに攻め込んだ日本は田中からラファエレ、最後は途中出場の福岡が左隅に飛び込み、逆転トライ。田村のゴールも決まり、16-12とこの日初めてリードを奪った。31分には田村がペナルティゴールを決め、19-12と突き放し、そのままアイルランドの猛攻を振り切り、歴史的金星を挙げた。
日本は20日の開幕戦でロシアに30-10で勝利し、ボーナスポイントを含め、勝ち点5を獲得。対するアイルランドは2強と目されていたスコットランドを初戦で27-3と快勝し、勢いに乗っていた。日本にとっては格上で代表戦で過去7戦全敗の相手。しかし、15年大会で南アフリカを撃破した当時を上回る「奇跡を超える奇跡」を果たし、歴史的金星を勝ち取った。
試合後、田村は興奮気味に「試合前にジェイミーが俳句を呼んでくれた。誰も勝つと思っていない。信じているのは僕たちだけ。その通りになった。ゲームプラン通りになった。全部、うまくいった。僕たちは1週間、勝つと信じてやってきた」と歓喜を口にした。
(THE ANSWER編集部)