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釜石の復興を後押ししたラグビーの力 地元高校生が伝えたい「世界中にありがとう」

ラグビーの街・釜石に、ついにワールドカップがやってきた。釜石での初戦となるフィジー対ウルグアイが行われる25日、キックオフを前に「本当にラグビーW杯が釜石に来るっていうのが実現して、ドキドキワクワクしています」と感激を抑えられなかったのは、釜石高3年生の洞口留伊さんだ。洞口さんは昨年8月、新設された釜石鵜住居復興スタジアムの完成記念試合でキックオフ宣言を行い、「私は釜石が好きだ」で始まる「未来への船出」と呼ばれる約4分間のスピーチで感動を与えた。

釜石高3年生の洞口留伊さん【写真:石倉愛子】
釜石高3年生の洞口留伊さん【写真:石倉愛子】

釜石高3年・洞口さん「一人でも多くの人が防災について考えるきっかけになれば」

 ラグビーの街・釜石に、ついにワールドカップがやってきた。釜石での初戦となるフィジー対ウルグアイが行われる25日、キックオフを前に「本当にラグビーW杯が釜石に来るっていうのが実現して、ドキドキワクワクしています」と感激を抑えられなかったのは、釜石高3年生の洞口留伊さんだ。洞口さんは昨年8月、新設された釜石鵜住居復興スタジアムの完成記念試合でキックオフ宣言を行い、「私は釜石が好きだ」で始まる「未来への船出」と呼ばれる約4分間のスピーチで感動を与えた。

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 2011年、小学3年生だった洞口さんは、東日本大震災で被災した。「家も学校も流されてしまった」というが、この時に支えとなったのが世界各地からのサポートだった。「世界中の皆さんから勉強道具とかランドセルとか支援していただいたおかげで、私は今こうやって生活していることができているので、世界中の皆さんにありがとうっていう気持ちを伝えたいです」。そう語る洞口さんは、自身のSNSや「釜石高校生感謝プロジェクト」などを通じて、世界に向けて感謝の気持ちを発信している。

 震災直後、鵜住居復興スタジアムの建つ地域は瓦礫の山だった。洞口さんも「震災当時は街が全然変わってしまった」と振り返るが、今では世界のラグビーファンをホストするまでに復興。それにはラグビーの力が大きく関わっているという。

「ラグビーW杯が釜石に来るって決まってから、より復興が早くなったと思っています。(釜石が)ラグビーの街ということで、市民がみんな団結したからこそ、ここまで早く復興できたと思うので、私はすごく誇りに思います」

 開催12都市の中で唯一新設されたスタジアム。なぜ新設されたのか、その背景を知ることで「一人でも多くの人が防災について考える機会になったらいいと思います」と話す。

 W杯は始まりであり、終わりではない。

「W杯を成功させるという一つの目標に対して、市民が団結していると思う。その一丸となったことを通じて、もっといい街を作るきっかけになればと思います」

 未来への船出の日を祝福するかのように、釜石の街は快晴となった。

(THE ANSWER編集部・佐藤 直子 / Naoko Sato)


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