大坂なおみ、復活Vは“大会中の緩急”が鍵 強化本部長称賛「ジョコビッチの勝ち方」
コーチ2度変更も「財産」、土橋氏「No.1に上がっていくきっかけになる」
2月にコーチだったサーシャ・バイン氏を解任し、米国テニス協会のナショナルコーチだったジャーメイン・ジェンキンス氏と契約。しかし、全仏オープンは3回戦で、ウィンブルドンは1回戦で、連覇を狙った全米オープンも4回戦で敗れた。「何かリセットしたいものがあった」と今月13日にジェンキンス氏との契約解消を発表。今大会から父のレオナルド・フランソワ氏がサポートしている。一見すれば、短期間のコーチ変更はマイナスに捉えられるが、土橋氏は複数のコーチに指導を受けたことが良かったとみる。
「様々なコーチが今までいたけど、そのコーチたちがなおみの強み、課題はどこかを見て、アプローチしてきた。プティンツェワには、前は散々にやられたけど、最後は対応しきっていた。あれも練習もやってきたから。今日の最後のドロップショットの処理は『ジョコビッチか!』って思うほどだった。そうやって成長できている。ボレーだってもう弱点だなんて言えない。強みになっている。課題が強み変わりつつある」
ドロップショットの頻度が減った。やるべきことに集中し、各ショットの技術レベルが上がってきた。「ベースを守って、ストロークをしっかりやろうという気持ちになって、それ(ドロップショット)を選択していない。でも、ドロップショットが必ず生きる時もある。ボレーもかなりレベルが上がっている。ジェンキンスさんとの時間も凄く財産になっている」と関係解消という結果になったが、無駄な時間ではなかったことを強調した。
1月の全豪オープン以降は低迷したが、盤石の強さを見せて復活V。それが生まれ故郷の大阪であることが格別なものだった。「彼女がまたナンバーワンを目指しているのかはわからないけど、そういう位置に上がっていくきっかけになる大事な試合。今までの試合とは違う重要なもの」と土橋氏。一皮むけた大坂がさらなる飛躍を期待させた。
(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)