渡邊雄太、右手負傷し足踏まれても“魂の34得点” 胸中告白「自分への怒りが凄かった」
バスケットボールのワールドカップ(W杯・DAZNで生配信)で初の開幕4連敗となった世界ランク48位の日本は9日、同28位・モンテネグロとの順位決定戦(東莞・東莞藍球中心)を行い、65-80で5戦全敗となった。NBAウィザーズの八村塁が膝の不調と疲労、主将のPG篠山竜青が左第1趾末節骨骨折で欠場して迎えた最終戦。
渡邊が両軍最多の34得点で孤軍奮闘「早くやれよ、と言われるかもしれないけど…」
バスケットボールのワールドカップ(W杯・DAZNで生配信)で初の開幕4連敗となった世界ランク48位の日本は9日、同28位・モンテネグロとの順位決定戦(東莞・東莞藍球中心)を行い、65-80で5戦全敗となった。NBAウィザーズの八村塁が膝の不調と疲労、主将のPG篠山竜青が左第1趾末節骨骨折で欠場して迎えた最終戦。13年ぶり5度目の出場で過去9戦全敗の欧州勢から初勝利を得られず、初の大会0勝で終えた。エース不在の中で、渡邊雄太は両チーム最多の34得点、9リバウンドと意地を見せた。
八村が不在でも、渡邊の燃えるような気迫を出し尽くした。スタートからがむしゃらにリングを攻めて得点を重ねる。そして第3Q。43-45から渡邊が意地のダンクを叩き込み、日本ベンチ前で雄叫びを上げた。気迫をこめた、この日26得点目で一度はモンテネグロに追いつく。右手薬指を負傷し、残り5分54秒でベンチへと下がったが、強い気持ちが伝わってくる瞬間だった。
「精神的に塁と竜青さんが抜けたというのは、自分ではかなりきていた。年齢でも自分は若い方ですし、元々声を張り上げて竜青さんみたいに引っ張るキャラでもないので、プレーで引っ張ろうとニュージーランド戦に入ったんですけど、何もできずに終わってしまった。このままでは後悔だけが残ると思っていたので、全てを出し切ろうと思って背中で日本代表を引っ張っていこうと心に思いました」
前半フル出場。前戦で31得点を挙げたファジーカスも高さのある相手に対し、ゴール下で優位に立てず攻め手を欠く。そんな中でも、渡邊は体を張ったリバウンド、ディフェンス、そしてオフェンスでも日本を奮い立たせた。
元々は先頭に立って引っ張るタイプではないのかもしれない。でも、責任感は誰よりも強い。なんとかしたい――。負傷した右手薬指から血が流れた。渡邊はベンチで治療を受け、48-50の残り3分28秒に復帰。その後も、がむしゃらにリングを攻め続けた。最後は点差を広げられたが、背番号12は両軍最多の34得点、9リバウンド。その背中はチームに勇気を与えた。
「得点とかリバウンドもそうですし、今日は個人的にスタッツを残そうというよりは、とにかく自分の持っている力を最大限出そうと思った。ニュージーランド戦は情けなくてしょうがなかったので、あんな終わり方は絶対にしたくなかったですし、最終戦なので遅いというか『早くやれよ』と言われるかもしれないけど、とにかく自分の持っている100%を出そうと思ってやった結果。ただ、今はチームを勝たせたかったという気持ちが強いです」