日本は「最悪の試合」に何を思ったのか 屈辱111失点に選手たちが味わった感情
安藤周人「自分たちの弱さが出た」、ファジーカス「戦う姿勢を見せようと」
安藤周人は攻守両面で力を発揮しようと懸命に動いた。チームとして課題を見つめ直してきたが、修正点が多いほど仕事は増える。フリオ・ラマス監督の下、それぞれがやるべきことに集中しようと試みた。だが、指揮官の指示を実行できないままとなった。
安藤周は「ミーティングでも抑えるべきポイントを指示されているにも関わらず、そこを止めきれなかったのが敗因にもなっている」と悔しさを露わに。「ニュージーランドは速い展開の中で、90点以上を獲ってくるチーム。それに対して同じスピード勝負を挑んでも勝てないと思うので、いかにそこを止めるかが今日のキーポイントだった。そこを止めきれず、自分たちの弱さが出たと思う」と唇をかんだ。
そんな中でも、34歳のファジーカス・ニックは元NBAの実力を見せた。日本に帰化し、チームに足りないものを埋めて「救世主」と称されたように、この日も31得点と奮闘。八村がいないことでボールに触れる機会が増えた。エースを欠いたチームに対し「自分がまだ国際大会で30点を取れると証明したかったし、証明できたと思う。諦めない精神、意気消沈せずに戦う姿勢を見せようと思った。自分がチームをけん引しようと思った」と、仲間に背中でメッセージを伝えたかったという。
強いリーダーシップを発揮してきた篠山は、この日の試合前のウォーミングアップでも声を張り上げ、メンバーとハイタッチを繰り返してチームを鼓舞。スローガンの「日本一丸」で挑んだが、力は及ばなかった。残るは9日のモンテネグロ戦。全敗回避、W杯の対欧州勢初勝利もかかる。
現チームが史上最強であることは間違いない。渡邊は「こんな形で絶対に終わりたくない」と顔を上げた。最後の40分。未来に財産を残すためにも、死力を尽くさねばならない。
(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)