松山、メジャー初Vならず悔し泣き 夢見た前半単独首位も、後半失速で快挙逃す
一瞬、夢を見た。しかし、その夢は現実にならなかった。松山が惜しくも優勝を逃し、日本人初のメジャー制覇という快挙に届かなかった。
全米プロゴ選手権最終日、インタビューでうっすら涙、足りなかったものは「考えます」
海外男子ゴルフの全米プロゴルフ選手権(クウェイルホローC)最終日は13日(日本時間14日)、2位タイから出た松山英樹(レクサス)が5バーディー、6ボギーの「72」でスコアを1つ落とし、通算5アンダー。出入りの激しいゴルフで首位と3打差でホールアウトし、日本人初のメジャータイトルを逃した。優勝はジャスティン・トーマス(米国)が飾った。
一瞬、夢を見た。しかし、その夢は現実にならなかった。松山が惜しくも優勝を逃し、日本人初のメジャー制覇という快挙に届かなかった。
テレビインタビューに応えた松山は放心状態といった様子で「足りなかったものは?」と問われると「考えます」とポツリ。うっすらと目に涙を浮かべているようにも見えた。
前半は粘ってスコアを伸ばした。2番パー4。ティーショットを左のラフに入れると、第2打はグリーンを捉えられず。ボギーを喫した。しかし、6番パー3でピン奥2メートルにつけ、初バーディー。7番パー5は2オンに成功し、連続バーディーを奪った。スコアを1つ伸ばし、通算7アンダーで単独首位に立って前半を終えた。
後半、滑り出しは順調だった。10番パー5。バンカーからの第3打でピン横約6メートルの距離を残したが、これを沈めてバーディー。通算8アンダーとしたが、11番、12番のパー4でいずれも3オンの後、パーパットを外してボギー。さらに13番パー3もティーショットを寄せ切れず、まさかの3連続ボギーとし、通算5アンダーで首位と3打差に広がった。
松山はここから反撃に出る。14番パー4、15番パー5で連続バーディー。再び首位と1打差に迫った。ところが、16番パー4で第3打をオーバーさせると、約2メートルのパットを外す痛恨のボギー。最終18番パー4は第1打を川に入れてボギーと後半3ホールで失速し、全72ホールを終了した。
勝てば、日本人男子ではメジャー初優勝となった松山。第3日を2位タイの通算6アンダーで終え、首位のケビン・キスナー(米国)を1打差で追う好位置につけていた。
今季の全英オープンを制したジョーダン・スピース(米国)が「優勝するのはヒデキ」と予想するなど、日本ファンのみならず、世界のトップ選手からの期待も高かったが、歴史的快挙を逃した。
日本ゴルフ界が誰もが夢見ながら、惜しくも届かなかったメジャータイトル。しかし、その夢はすぐ近くにある。日本が世界に誇るヒデキ・マツヤマの戦いは続く。
【了】
ジ・アンサー編集部●文 text by The Answer