悲しみを乗り越えて― フェデラーをレジェンドに変えた“若き日の自分”との決別
我が道を進む16歳当時…「とても怠惰で、無頓着な感じでコートにやってきた」
元世界ランキング9位でスイスの先輩であるマルク・ロセ氏も、同番組で16歳当時のフェデラーについて回想している。
「最初に彼と練習した時のことを覚えているよ。彼はスイスの新星だったけれど、とても怠惰でね。普通なら若い選手はツアー中の練習でちょっとぐらい緊張するものだよ。良いプレーを見せたいから、すごくナーバスになる。ただ、彼は全く無頓着な感じでコートにやってきた。ワォって感じだったんだ」
テニス界に限らず多くの選手や人々や選手から尊敬される今の姿からは想像しがたいが、先輩への気遣いは一切感じられないほど、我が道を進んでいたとロセ氏は言葉を続ける。
「(フェデラーのかけている音楽が)とにかくうるさくてね。ピーター・ラングレン(スウェーデン出身の元プロテニス選手)が、マイアミでレンタカーからつまみ出したんだ。(ハードロックバンドの)AC/DCにうんざりしていたからね。彼は大声で絶叫していた。みんな、ロジャー・フェデラーがどんなに元気なヤツだったのか分からないだろう。ラウド系の音楽がどんなに好きか、ということを」
番組内では、ロッカールームでライバルやプロレスラーのモノマネに興じるなど、“やんちゃ”そのものだったエピソードが紹介されている。