村田諒太、「いい9か月間だった」と言い切るために… 王座奪還で再起への道“完成”
「充実していた」と将来的に言い切るために
この日の会見、写真撮影などでも終始笑顔だった村田。「充実しているから笑顔だったわけではない。なんとなく。余裕を持っているように見えるかどうかは、皆さんの捉え方次第。僕としてはあくまで普通ですね。今日はそういう日だったということ」と語る。前回、調整ミスも重なったラスベガスでの試合直前とは異なり、気持ちを上手くコントロールしているようだった。
地元・関西で自身初の世界戦となり、チケットも完売。王座陥落後、現役引退か悩んだ末に再起を選んだ。ボクサー人生を懸けたリングを前に、この9か月間を「充実していた」と振り返る。ただし、世界戦にたどり着いたことがゴールではない。
「充実って何から来るかというと、“現在から見る過去”なんですね。試合が終わってみないとわからないですけど、現在はすごくいい心境でいます。
もちろん、人間的にも成長できた部分は多いと思うし、将来的に“現在から見た過去”としてこの9か月間を見た時に『いい9か月間だった』と言えるかもしれない。明後日(12日)いい形で勝てば、肯定できる要素が増えるかもしれない。そうしたいですね」
WBC世界ライトフライ級王者・拳四朗(BMB)や関係者と談笑する場面もあり、精神的な余裕も漂わせた。平常心を貫いた前王者。世界王座に返り咲き、現役続行が間違いでなかったことを示す。
(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)