世界1位の重圧― 大坂なおみ、まさかの初戦大苦戦の理由「名前の横にある数字に…」
テニスの4大大会・全仏オープン(テレビ東京系で地上波独占放送)は28日、大会3日目を迎え、女子シングルスでは第1シードの大坂なおみ(日清食品)が登場。1回戦で同90位のアンナ・カロリナ・シュミエドロバ(スロバキア)と対戦し、0-6、7-6、6-1で逆転勝利した。
大坂を襲った重圧、世界90位に第1セットは0-6、まさかの展開に客席ざわつく
テニスの4大大会・全仏オープン(テレビ東京系で地上波独占放送)は28日、大会3日目を迎え、女子シングルスでは第1シードの大坂なおみ(日清食品)が登場。1回戦で同90位のアンナ・カロリナ・シュミエドロバ(スロバキア)と対戦し、0-6、7-6、6-1で逆転勝利した。
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第1セット序盤からショットの安定感を欠き、全くペースを掴めなかった大坂。相手に主導権を握られる試合展開で1ゲームも奪えず。0-6で第1セットを落とした。第2セットは第1ゲームから3ゲーム連取したが、突如降りだした雨で一時中断すると流れが変わり、再開後は4-5とリードを許す。敗戦のピンチに追い込まれた第10ゲーム。これを何とかブレークしてタイブレークに持ち込み、第2セットを奪うと、第3セットは迫力十分のサーブで女王の貫禄を見せつけて6-1で勝利。まさかの展開に、一時はセンターコートの客席がざわつく逆転勝利となった。
女王・大坂に何があったのか。試合後の会見では「今までで一番緊張した試合だった」と苦笑いで振り返った。
緊張した理由は、いくつか思い当たるという。「初めての第1シードで臨むグランドスラムだったこと」「全仏では初めてのセンターコートで試合をしたこと」「グランドスラム2連勝でこの大会もどうしても勝ちたかったこと」などなど。だが、その中でも大坂を乱した一番の理由は「名前の横にある数字に気を囚われ過ぎたこと」、つまり世界ランク1位であると意識しすぎたことにあるようだ。
全豪オープンの後、6大会に出場するも優勝はなし。「調子が悪い、勝てないという周りの声をひっくり返して、自分の力を証明したかったの」と会見ではバツが悪そうに話した。ショットの精度を欠いたのも「緊張のあまり足が動かなかったから」。第2セットの第10ゲーム。これを落としたら、4大大会覇者では史上2人目となる全仏初戦敗退という不名誉な記録を作るところだったが、「意志の強さを持って」「自分を信じて、勝つためだったら何でもしようと切り替えて反撃した」という。
自分自身を「考え過ぎるタイプ」と分析する。考えがポジティブに向けば最高の結果に繋がるが、考え過ぎるとドツボにはまる。今回は後者が出てしまった例だろう。
2回戦は元世界ランク1位のビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)と対戦。史上初の4大大会初制覇から3連覇という偉業に向かって、ヒヤヒヤながら一歩踏み出した。
(THE ANSWER編集部・佐藤 直子 / Naoko Sato)