激闘の末に0-3判定負け

　ボクシングの前WBC＆IBF世界バンタム級統一王者の中谷潤人（M.T）は27日、サウジアラビアの首都リヤドのモハメド・アブドゥ・アリーナで、スーパーバンタム級ノンタイトル12回戦に臨み、WBC世界同級10位セバスチャン・エルナンデス（メキシコ）を3-0（115-113×2、118-110）の判定で下した。死闘を演じたエルナンデスは、米メディアに本音を明かしている。

　いくら被弾しても前進が止まらない。エルナンデスは、驚異のスタミナと手数で中谷を苦しめた。

　中谷の右まぶたが腫れあがるほどの激闘となり、運命の判定へ。0-3で敗れプロ初黒星を喫したが、評価を高める一戦となった。

　判定を聞いた直後は拍手で中谷を称えていたエルナンデス。米専門メディア「ファイトハブTV」のYoutubeチャンネルで本音を吐露している。

「試合の後半はあなたが優勢だった。勝つのに十分だったと思うか？」と問われると、「試合を見返したけど、勝つのに十分なことはやったと思っている」とコメント。その上で「でも、この機会を与えられたことには感謝してるんだ。これからも努力し続けるよ」と言葉をつないだ。

　ジャッジ1人が110-118と大差をつけたことについては、「スコアカードのことは別に気にしてないよ。俺は自分の仕事をしただけだ。ファンのみんなに素晴らしい試合を見せられたと思うし、その点については満足している」と振り返った。

「ファン全員にいい試合を提供できたと思っている」と話したエルナンデス。来年5月にも実現しそうな中谷と井上尚弥のビッグマッチの話題になると、「いい試合になると思うよ。俺も観たいね。ナカタニとイノウエ、そしてファンのみんなに神のご加護を」とコメントしていた。