井上尚弥、史上最多の世界戦27連勝! ピカソと12R激闘、判定3-0も「今夜は良くなかった」苦笑い
ボクシングの世界スーパーバンタム級(122ポンド、55.34キロ以下)4団体統一王者・井上尚弥(大橋)が27日、サウジアラビアの首都リヤドのモハメド・アブドゥ・アリーナで、WBC世界同級2位アラン・ピカソ(メキシコ)との防衛戦に臨み、3-0の判定勝ちを収めた。プロでは初めての2戦連続判定勝ち。自身12年ぶり、異例の年間4試合目。大型興行のメインイベントで2025年を全勝締めとした。

井上尚弥VSアラン・ピカソ
ボクシングの世界スーパーバンタム級(122ポンド、55.34キロ以下)4団体統一王者・井上尚弥(大橋)が27日、サウジアラビアの首都リヤドのモハメド・アブドゥ・アリーナで、WBC世界同級2位アラン・ピカソ(メキシコ)との防衛戦に臨み、3-0の判定勝ちを収めた。プロでは初めての2戦連続判定勝ち。自身12年ぶり、異例の年間4試合目。大型興行のメインイベントで2025年を全勝締めとした。
初回はガードを固めたピカソに、キレのあるジャブを放っていく井上。様子を伺った印象のあった立ち上がりとは一変し、2回は猛烈な連打を浴びせた。左ボディー、右フックと多才な攻撃でダメージを与え、観客を沸かせた。3回、4回も相手にペースを握らせず。6回にはピカソにロープを背負わせて連打を仕掛けたり、ボディーで効かせたりと優位に進めた。
ピカソもガードを崩さず反撃のチャンスを伺うが、井上がそれを許さない。9回にも強烈なボディーを打ち込んだ。12ラウンドでは決着がつかず、井上にとって2試合連続の判定となったものの、井上が勝利。元世界ヘビー級王者ジョー・ルイス、元5階級制覇王者のフロイド・メイウェザー(ともに米国)を抜き、歴代史上最多の世界戦27連勝を達成した。
リングインタビューで井上は「今夜は良くなかった。なんだろうな…良くなかった」と苦笑い。判定決着に納得いかない様子だった。「今年4試合こなすことができて満足はしているけど、少し疲れました。ちょっとゆっくり休みます」とコメント。会場では最も権威ある米専門誌「ザ・リング」のパウンド・フォー・パウンド(階級を超えた格付け)で1位に君臨する世界ヘビー級3団体統一王者オレクサンドル・ウシクが観戦。井上は2位に位置づけられているが「こんなんじゃまだまだ全然及ばない。もっともっと腕を磨いて1位にふさわしい選手になりたい」と話した。
来春対戦が計画されていた中谷潤人も、前座の試合で判定勝ち。井上は「今夜お互い無事に勝利できた。(所属ジムの)大橋会長といろんな方向性を含め交渉していきたい。でも、日本のファンのみなさん、期待はしていてください」と語った。
2025年は1月にキム・イェジュン(4回KO勝ち)、5月にラモン・カルデナス(8回TKO勝ち)、9月にムロジョン・アフマダリエフ(3-0判定勝ち)と既に3試合をこなしており、井上にとっては2013年以来、12年ぶりとなる年間4試合目だった。
リヤドでは、2019年から国際娯楽イベント「リヤド・シーズン」を展開しており、今回は大型興行「The Ring V: Night of the Samurai(ナイト・オブ・ザ・サムライ)」と銘打たれた。井上は昨年11月にリヤド・シーズンと推定1900万ドル(約30億円=発表当時)ともされるスポンサーシップ契約を結んでおり、その縁もあって中東の大舞台に立つことになった。
ピカソとの試合は当初、今年5月に米ラスベガスで開催されることが有力視されていた。しかし、ピカソ陣営が対戦を辞退。カルデナスとの防衛戦に変更となった経緯がある。一部では「ピカソが逃げた」との声もあったが井上は「ファイトマネーの問題だと思う」と自ら説明。相手の“逃亡疑惑”を晴らし、迎えた一戦で真正面から打ち破った。
(THE ANSWER編集部)
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