最後の全日本フィギュアで「初めて」の展開 三原舞依、リンク脇で涙が加速 理由は恩師の5文字
フィギュアスケートの2026年ミラノ・コルティナ五輪代表最終選考会を兼ねた全日本選手権最終日は21日、東京・代々木第一体育館で行われた。女子フリーでは今季限りでの現役引退を表明している三原舞依(シスメックス)が大きなミスなく演じきり、合計190.63点の10位で終えた。演技後、三原は中野園子コーチとのやり取りを明かし「感謝の思いを全身で表現することができてうれしい」と話した。

フィギュアスケート全日本選手権
フィギュアスケートの2026年ミラノ・コルティナ五輪代表最終選考会を兼ねた全日本選手権最終日は21日、東京・代々木第一体育館で行われた。女子フリーでは今季限りでの現役引退を表明している三原舞依(シスメックス)が大きなミスなく演じきり、合計190.63点の10位で終えた。演技後、三原は中野園子コーチとのやり取りを明かし「感謝の思いを全身で表現することができてうれしい」と話した。
最後の全日本。中野コーチにポンと背中を押され、リンク中央に立った。観客席ではスケーター仲間も「舞依ちゃん頑張れー!」と絶叫。360度の大声援に包まれ、感謝を演技に落とし込んだ。
ジャンプを次々に決め、伸びやかなスケーティングで魅了。最後のスピンに入ると、拍手がより一層大きくなるのが聞こえた。感情があふれだす寸前でフィニッシュ。スタンディングオベーションの中、しばらく立ち上がれなかった。涙を拭う観客は、一人や二人ではなかった。
「自分でもビックリするくらい涙が込み上げてきた。(客席の)上の方まで拍手してくださっているのが見えて、幸せだなと思いました。今思ったら、ウォータープルーフのマスカラで良かったなって(笑)。前が見えなくなるくらい涙がすごかった」
出迎えてくれた中野コーチからは「ありがとう」の5文字を伝えられた。もちろん、もらったことのある言葉だが、演技直後は「初めて」。既に流れていた涙が止まらなくなった。
この日、恩師に一つお願いしていた。「(演技前に)強めに背中を押してください」。返ってきたのは「もちろんよ!」。こうも言われた。「最後まで一緒にいるよ」。言葉をかみしめながらの4分間。思いを全身で表現した。
取材に応じた中野コーチの目も、少し潤んでいるように見えた。「本当によく頑張った。いろんな意味で。いつもはスピンを抜かないと最後まで(フリーの演技が)できなかったけれど、今日は全部入れた」。11度目の全日本、今できる最高の演技だった。
病気や体調不良など数々の困難に立ち向かい、四大陸選手権2度制覇や2022年にはグランプリファイナルも制した。「滑っている時のお客様の表情、微笑み、最後のスピンを回っている時の音。最後のお辞儀で見ることができた“すっっっごい幸せな光景”を一生忘れることはない。幸せ者だなという言葉に尽きるかなと思います」。26歳は悔いなく、日本最高峰の舞台を去る。
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