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36歳で代表復帰見えた「実は出たことなくて…」 王子からベテランに、高谷惣亮が現役にこだわる理由

レスリングの天皇杯全日本選手権第3日が20日、東京・駒沢体育館で行われ、男子フリースタイル86キロ級で高谷惣亮(36=拓大職)が頂点に立った。京都・網野高3年時の衝撃の準優勝デビューから出場18回で3年ぶり13回目の優勝。男子レスリングを引っ張ってきた「ミスター天皇杯」が、再び全日本の王座に返り咲いた。

3年ぶりの金メダルを手にした高谷惣亮【写真:編集部】
3年ぶりの金メダルを手にした高谷惣亮【写真:編集部】

レスリング天皇杯全日本選手権

 レスリングの天皇杯全日本選手権第3日が20日、東京・駒沢体育館で行われ、男子フリースタイル86キロ級で高谷惣亮(36=拓大職)が頂点に立った。京都・網野高3年時の衝撃の準優勝デビューから出場18回で3年ぶり13回目の優勝。男子レスリングを引っ張ってきた「ミスター天皇杯」が、再び全日本の王座に返り咲いた。

 「アイムバック(ただいま)」。優勝の感想を聞かれた高谷は、そう言って笑顔をみせた。高橋夢大(三恵海運)との決勝は序盤で2点を先行されながら、粘り強いレスリングで追いついて2-2のラストポイントで勝利。「年齢も年齢ですけど、昔からのファンの方も応援してくれている。自分だけの勝利じゃないです」と周囲にも感謝した。

 かつてはスピードを武器に「タックル王子」と呼ばれた。今大会は「年齢も年齢なので」と省エネに徹し、ベテランらしい巧みな試合運びで優勝。「タックルが代名詞なんですが、意外といろいろできるんです」と笑った。

 吉田沙保里、伊調馨の陰で忘れられがちだった男子レスリングを盛り上げてきた。14年の世界選手権で準優勝するなど、五輪のメダルも期待された。3度の五輪でメダルには届かなかったが、パリ五輪では弟の大地が銀メダルを獲得。兄弟での挑戦が実を結んだ瞬間だった。

 この大会への思い入れも強い。「やっぱり、特別です」。18歳で準優勝した後、出場18回。74、79、86、92キロ級と4階級で果たした13回の優勝は吉田と伊調に並ぶ史上3位タイ。他にも2位と3位が2回ずつで、表彰台には17回も立った。

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荻島 弘一

1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者としてサッカーや水泳、柔道など五輪競技を担当。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰する。山下・斉藤時代の柔道から五輪新競技のブレイキンまで、昭和、平成、令和と長年に渡って幅広くスポーツの現場を取材した。

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