27日サウジでの防衛戦前に届いた“挑戦状”

　ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥（大橋）に対し、英興行大手・マッチルーム社でプロモーターを務めるエディー・ハーン氏が再びの“挑発”だ。モナコで現地6日に行われた欧州スーパーバンタム級王者決定戦の終了後「彼こそ井上陣営がまさしく求めているもの」と、勝者のシャバズ・マスード（英国）との対戦を求めた。ファンからは「勘違いしてるよな」と辛辣な声が上がった。

　試合は、IBOの世界同級王者でもあるマスードが、ピーター・マグレイル（英国）に判定勝ち。ハーン氏は試合後、リング上で「幸か不幸か、全てのベルトは一人の男、ナオヤ・イノウエが保持している」と切り出した。

　続けて「昨年このリングに立ち、（その後）アフマダリエフと戦ったんだ。彼（マスード）は手強い相手で、彼ら（井上陣営）がまさしく求めているものだ。私はナオヤ・イノウエがストーク（イングランド中部の都市）の大ファンだと聞いている。彼が来たいかどうかは見てみよう」と、挑発の言葉を投げかけた。

　続けてマスードも「彼（イノウエ）が、ストークの寒い日に耐えられるか分からないけどね！」と、英国での対戦を熱望している。マスードはプロで15戦全勝（4KO）の29歳。同級の主要4団体世界ランキングのトップ15には入っていない。試合を配信した「DAZN」が、この場面を動画で公開すると、海外のファンから批判が相次いだ。

「エディ、MJ（アフマダリエフ）相手に同じことをやっていたよね。やめてくれよ」
「前回エディがイノウエを指名したときに何が起きたか覚えてる？」
「イノウエはストークという場所も、マスードのことも知らないだろうね」
「イノウエをそっとしておいて。ナカタニやバムとの大きな試合があるんだから、この相手のような、まだチャンスから遠くてその価値もない奴とはやらなくていい」
「ハハ。別の惑星にいるくらい勘違いしてるよな、イノウエをここに呼んでこの相手と戦わせられると思ってるなんて」
「まだまだ時期尚早だ。マスードにとって悲惨な結果になる」

　ハーン氏は7月に井上と対戦し、0-3で判定負けしたムロジョン・アフマダリエフ（ウズベキスタン）のプロモーターでもあり、5月の来日時に井上について「（アフマダリエフは）3回くらい指名挑戦者だったのに、対戦を避けられたと感じている」と発言。実力差がかけ離れていることもあり対戦実現の可能性は低いが、今回は当時に続く挑発だ。井上は27日に、サウジアラビアのリヤドでWBC世界同級2位のアラン・ピカソ（メキシコ）との防衛戦に臨む。