伊藤園レディスでツアー初優勝、地元宮崎へ寄付

　11月に行われた女子ゴルフの国内ツアー・伊藤園レディス（千葉・グレートアイランドC）でツアー初優勝を飾った28歳・脇元華（GMOインターネットグループ）が、贈られた副賞の米10俵（長南産コシヒカリ、600キロ）と伊藤園飲料（3年分、1080本）の“全て”を、地元・宮崎の3団体と故郷・小林市に寄付すると4日に発表された。今年は11月に河本結（RICOH）も優勝副賞を地元・愛媛の児童養護施設などに寄付している。

　通算16アンダーで悲願の初優勝を成し遂げた脇元。賞金1800万円の他、副賞も贈呈された。特に目立ったのが開催地の長南町から贈られた長南産コシヒカリ10俵と、主催の伊藤園から贈られた「茶系飲料」「コーヒー飲料」「野菜・果汁飲料」3年分だ。

　脇元は優勝会見で副賞について知ると仰天。「10俵ってヤバくないですか。何合になるんだろう。でも、お米高いんで、大事に食べます。食べ切れない分は配ります」と驚きながら述べていた。炊飯器メーカー「タイガー」の公式サイトによると、米1俵（約60キロ）を換算すると約400合。10俵なので、4000合分を手にしたことになる。1日2合消費したとして、2000日分。全て消費するには単純計算で5年半近くかかるという桁違いの量だ。

　この副賞を得た脇元は、寄付を決めた。自身も家族の支えに支えられ、怪我や苦しい時期を乗り越えて初優勝に辿りついた経験から、「支えが必要な子どもたちへ、このお米を届けたい」という強い思いが根底にある。米の寄付先として「フードバンクみやざき」「NPO 法人 Swing-By」「宮崎県ひとり親福祉連合会」の宮崎3団体、伊藤園飲料の寄付先としては故郷である小林市を選んだ。

　脇元は「家庭の事情で親の支えを十分に得られない子どもたち。ひとり親家庭で日々を懸命に頑張っている子どもたち。不安を抱えながら、それでも前を向こうとしている子どもたち。そうした子どもたちに、少しでも温かい力を届けたい―――。その気持ちがこの寄付を決断した一番の理由です。実は私自身も、ひとり親家庭で育ちました。どんな時もそばで支えてくれた家族のおかげで夢を諦めずにゴルフを続けることができました。だから今度は、私が子どもたちの背中をそっと押せる存在でありたいと思っています」とコメントしている。

　脇元のほかにも、8月の北海道meijiカップで優勝した河本が、大会を特別協賛する明治グループから副賞として贈られた明治製品10年分を寄付している。出身地・愛媛と、大会の開催地である北海道・北広島市の児童養護施設に寄付したとXで報告。子供たちと記念撮影し「これからもゴルフを通じて、少しでも誰かの笑顔に繋げられるようがんばっていきたいと思います」とつづっていた。