那須川天心、格闘技キャリア初黒星に正座で“謝罪” 世界初挑戦は判定0-3完敗 井上拓真が涙の王座返り咲き「天心選手相手だからこそ追い込めた」【プロボクシング】
プロボクシングのWBC世界バンタム級王座決定戦12回戦が24日、江東区のTOYOTA ARENA TOKYOで行われ、同級2位・井上拓真(大橋)が同級1位・那須川天心(帝拳)に3-0(116-112×2、117-111)の判定勝ち。約13か月ぶりの再起戦で王座返り咲きに成功した。那須川は転向8戦目でのスピード戴冠を目指していたが、格闘技キャリアで初黒星を喫した。戦績は29歳の井上が21勝(5KO)2敗。27歳の那須川が7勝(2KO)1敗。

WBC世界バンタム級王座決定戦
プロボクシングのWBC世界バンタム級王座決定戦12回戦が24日、江東区のTOYOTA ARENA TOKYOで行われ、同級2位・井上拓真(大橋)が同級1位・那須川天心(帝拳)に3-0(116-112×2、117-111)の判定勝ち。約13か月ぶりの再起戦で王座返り咲きに成功した。那須川は転向8戦目でのスピード戴冠を目指していたが、格闘技キャリアで初黒星を喫した。戦績は29歳の井上が21勝(5KO)2敗。27歳の那須川が7勝(2KO)1敗。
初回、魅せたのは那須川。終了間際、左オーバーハンドが井上の顔面をとらえた。直後のゴングで、両腕をぐるぐる回して飛び跳ねるなど余裕たっぷり。2回にも的確に顔面をとらえ、ノーガードになる場面もあった。
3回は出だしから井上が積極的に出るなど、互いに譲らず打ち合う。4回も井上が距離を詰めるが、那須川は当てさせない。4回終了時の途中採点では、ジャッジ3者ともに38-38でイーブンだった。
5回、拓真の右ストレートが顔面にヒット。那須川もジャブからストレートを打ち込んだ。6回は拓真のペース。ストレート、アッパーで着実に当てていった。7回、クリンチから拓真を押した那須川にレフェリーが注意。8回終了時の途中採点では76-76、77-75、78-74の2-0で井上リードとアナウンスされ、場内がどよめいた。
那須川は逆転へ落とせないラウンドが続くが、キャリア豊富な井上が巧みな試合運びを見せる。最終12回、那須川は右フックやボディで攻めるも、決着はつかず試合は終了。手ごたえ十分の井上は歓喜を爆発させ、リングコーナーに上がってガッツポーズを見せた。勝利を聞いた拓真は目に涙を浮かべ、那須川と称えあった。那須川は自身に声援を送ってくれたファンに向け、正座して頭を下げ“謝罪”した。
井上は2013年にプロデビュー。15年に東洋太平洋スーパーフライ級王座を獲得し、23年4月にWBA世界バンタム級王座に就いた。2度の防衛に成功するも、24年10月に現WBA世界同級王者・堤聖也(角海老宝石)に敗れ、王座から陥落した。引退をするか悩んだ末に現役続行を選んだ。那須川との一戦は13か月ぶりの再起戦だった。兄は世界スーパーバンタム級4団体統一王者・尚弥(大橋)。
対する那須川は格闘技戦績47戦全勝(キックボクシングは42戦)をもって、2023年にボクシングに転向した。翌24年10月の5戦目でWBOアジアパシフィック(AP)バンタム級王座を獲得。今年2月に元世界王者ジェイソン・モロニー(オーストラリア)に判定勝ち、同6月にはWBA同級6位だったビクトル・サンティリャン(ドミニカ共和国)に判定勝ち。無敗を貫き、世界戦初挑戦となったが及ばなかった。
WBC同級王座は中谷潤人(M.T)が保持していたが、中谷がIBF同級王座とともに返上したことにより、空位となっていた。他の王座を巡っては、WBAは堤と同暫定王者の元5階級制覇王者ノニト・ドネア(フィリピン)が12月17日に団体内王座統一戦に臨む。WBOはクリスチャン・メディナ(メキシコ)が王座に君臨している。
■井上拓真リングインタビュー
「みなさん戻ってきました! 率直な気持ちとしては、天心選手相手だからこそここまで追い込めて仕上げてこられた。天心選手、強かったし、ありがとうございました。(トレーナーの父・真吾氏へ)お父さんも諦めずにここまで追い込んでくれて、結果を出せてちょっとでも恩返しできたかなと思っている。返り咲くというよりも、まずは天心選手に勝つというだけでここまできた。ここまで盛り上がる試合ができたのも天心選手のおかげ。自分が勝つと信じてくれたファンのみなさま、ありがとうございました」
(THE ANSWER編集部)
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