中島ひとみ、専門外100mで健闘2位 「怒涛」の1年を回顧、オフにしたいことは…報道陣の笑い誘う【国スポ】
第79回国民スポーツ大会(国スポ)の陸上競技は6日、滋賀・平和堂HATOスタジアムで第4日が行われ、成年女子100メートル決勝に中島ひとみ(兵庫・長谷川体育施設)が登場。“専門外”の種目ながら11秒66(追い風0.4メートル)の2位で駆け抜けた。御家瀬緑(北海道・住友電工)が11秒57で優勝した。

国民スポーツ大会陸上第4日
第79回国民スポーツ大会(国スポ)の陸上競技は6日、滋賀・平和堂HATOスタジアムで第4日が行われ、成年女子100メートル決勝に中島ひとみ(兵庫・長谷川体育施設)が登場。“専門外”の種目ながら11秒66(追い風0.4メートル)の2位で駆け抜けた。御家瀬緑(北海道・住友電工)が11秒57で優勝した。
ハードルが本職の中島は9月の東京世界陸上の女子100メートル障害で準決勝に進出。今大会は100メートル障害もエントリーしたが、そちらは棄権し、100メートルに参戦した。前日は予選ながらこの種目の日本女王・井戸アビゲイル風果に競り勝ち、自己ベスト11秒60(追い風0.4メートル)の組1着。この日午前に行われた準決勝はさらに更新し、全体トップタイ11秒59(追い風1.2メートル)の組1着で決勝進出した。
決勝は7レーンから飛び出し、御家瀬に食らいつく。後半も失速せず2番手でフィニッシュ。0秒09競り負けたものの、国スポで準Vとなった。レース後は「本業である100メートルハードルを棄権させていただいて、『兵庫に1点でも多くポイントを』と思って決勝まで走った。私の中では勝ち負けの意識はなく、兵庫にどれだけ貢献できるかを考えて走りました」と故郷への想いを明かした。
「100メートルのレースをこんなにこなすのは『いつからないんだろう』というくらい。走り方もハードルと全然違う。スピードも大事になってくる。自分がハードルで世界を目指していく中で11秒3台は必須になってくると思う。掴むきっかけになった。記録会ではこういう(真剣勝負の)雰囲気で皆さんと走ることができなので、そういう機会をもらえたことがうれしい」
その上で「フレッシュな気持ちで走れた。決勝前に吐き気がする気持ちがないのは久々。『ああ、いつもこうであってほしい!』と思いました」と明るく笑い、報道陣を笑わせた。オフシーズンにしたいことを問われると「カップラーメンを食べたい! あとピザ。本当に寝られない日々が続いていたので、試合のことを考えずに爆睡したい」と天真爛漫に告白。言葉の裏に今シーズンを戦い抜いた重圧をうかがわせた。
30歳にして初めて日の丸を背負い、世界陸上の躍進まで激動の1年となった。「今季は怒涛のシーズン」と改めて振り返り、環境の変化も起きた。ただ、兵庫に帰って昔から知る恩師らと会うと「なんも変わってへんなあ」と言われたように、注目されても誠実な性格は変わらない。
「良い意味でも悪いでも見ていただける機会が増えたのは事実。アスリートとしてどうあるべきかは考えてしまう期間。それだけ陸上を見てくださっている方が多いのは本当にうれしいこと。熱が冷めないように、私も熱を冷まさない一員として来年も陸上競技を盛り上げていけたら」
そして、報道陣に「皆さんがいるからこそ陸上競技の楽しみ方を知っていただくことができたので。これからも温かく見守っていただきながら応援してもらえたらと思います」と頭を下げた。来季に向け「すごく飛躍した1年と思うのですが、それに満足せずに世界で戦った中でもっと上を目指したい気持ちがふつふつと沸いているので。その気持ちを冬季練習に持ち帰っていく」と視線を前に向けた。
最後は「日本記録更新に向けて12秒6台をしっかり安定して出し、最終的に世界で戦える選手になるために来年も頑張りたい」と抱負を述べた。
(THE ANSWER編集部)
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