世界陸上メンバー漏れ、失意の2週間も…青木アリエが国スポ出場を選んだ理由「見捨てられずに…」
第79回国民スポーツ大会(国スポ)の陸上競技は3日、滋賀・平和堂HATOスタジアムで第1日が行われ、成年女子300メートル予選に東京世界陸上の混合マイルリレー代表・青木アリエ(静岡・日体大3年)が登場。予選38秒04の組1着で決勝進出を決めた。メンバー漏れを味わった世界陸上でどん底を味わったことを打ち明け、それでも国スポに出場した理由を明かした。

「静岡」を胸に…再出発の国スポ300メートル出場
第79回国民スポーツ大会(国スポ)の陸上競技は3日、滋賀・平和堂HATOスタジアムで第1日が行われ、成年女子300メートル予選に東京世界陸上の混合マイルリレー代表・青木アリエ(静岡・日体大3年)が登場。予選38秒04の組1着で決勝進出を決めた。メンバー漏れを味わった世界陸上でどん底を味わったことを打ち明け、それでも国スポに出場した理由を明かした。
「静岡」と記された青木の胸に去来したのは、恩返しの念だった。
日本選手権などの主要大会では実施されない300メートル。慣れない形式に戸惑いも関係ない。得意の後半で仕掛ける。最後の直線は東京五輪女子4×100メートルリレー代表の壹岐あいこに競り勝ち、38秒04の組1着で駆け抜けた。
「思ったより前半の向かい風があって、ちょっと動きはごちゃついたけど、決勝に行けてとりあえず一安心です」と胸をなで下ろした。
夢に見た大舞台でどん底に落とされた。
5月の静岡国際女子400メートルで日本記録を上回る51秒71をマークし、一躍注目を浴びる存在に。ペルー国籍だったため日本記録とはならなかったが、6月に日本国籍を取得。7月の日本選手権で3位に入り、「一番の目標だった」という東京世界陸上代表に選ばれた。
しかし、選出された混合4×400メートルリレーの出走メンバーに青木の名前はなし。予選で日本新記録をマークし、初の決勝進出で8位入賞した仲間を応援することしかできず。「どう立て直そうかと、2週間くらいは落ち込んでいた」
力になったのは恩師の存在、そして、これまで育ててくれた地元・静岡の支えだ。日体大の顧問の先生が大会期間中も寄り添い、励ましてくれた。「落ち込んでいる時も声をかけてくださり、見捨てられなかったのが心の支えになった」と感謝する。
あれから3週間。5月に好タイムを出したのは、それだけ仕上がりが早かったことの裏返し。体は満身創痍の状態。「早くシーズンオフにしたい」と笑って本音も打ち明けるが、国スポ出場を決めたのは胸に秘める想いがあるからだ。
「ずっと支えて下さった静岡の先生方、後輩たちのために国スポに出場しようと決めたので、この大会は楽しく終わりたい」
決勝は4日。悔しさから立ち上がった青木が、300メートルにすべてをぶつける。
(THE ANSWER編集部)
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