追憶の世界陸上・2015年北京大会

　陸上の世界選手権東京大会は13日に開幕し、21日までの9日間、国立競技場で熱戦が繰り広げられる。今大会が20回目となる大舞台では、過去に記憶に残る様々なシーンがあった。1991年以来、34年ぶりに東京で開催されるこの機会に「追憶の世界陸上」として振り返る。2015年北京大会の男子50キロ競歩では、レース中にトイレ休憩を挟んだ選手が圧勝した。

　北京大会の男子50キロ競歩は、マテイ・トート（スロバキア）が、2位に1分45秒差をつけて圧勝した。

　序盤から圧倒。競技場に入る前には笑顔で関係者からスロバキア国旗を受け取り、高々と掲げてフィニッシュした。母国に初めての金メダルをもたらした。

　独歩となっていた30キロ付近では、コース脇の小屋に入ってトイレ休憩。競技時間が長い競歩ではレース中のトイレはそれほど珍しくない。本人は25秒程度のロスだったと説明している。名前はトートだが、トイレで有名な水まわり住宅総合機器メーカー「TOTO」とはもちろん、なんの関係もない。

　トートは2016年リオデジャネイロ五輪でも金メダル。その後、ドーピング疑惑による暫定的な資格停止処分を受け、連覇が懸かった2017年ロンドン世界陸上には出場できず。2021年東京五輪は14位だった。