10月25日にカシメロVS亀田京之介

　ボクシングの元世界3階級制覇王者ジョンリエル・カシメロ（フィリピン）が19日、都内で会見。10月25日にキルギスのビシュケク・アリーナで亀田京之介（MR）とノンタイトル58キロ契約10回戦を行うと発表した。カシメロは強気な発言を連発。1年ぶりのリングで存在感を示す覚悟を示した。興行は元世界3階級王者・亀田興毅氏が設立した「SAIKOU×LUSH」で行われ、ABEMAにて全試合無料生配信の予定。

　カシメロはサングラス姿で登場。ネックレスやブレスレットに加え、指輪、腕時計をゴールドで固めていた。会見の冒頭で「いい試合になりそうなのでお互い頑張りましょう」とコメント。京之介は「（相手は）いい選手やと思うけど、ブランク空いてる。歳も歳でしょ。名前だけはあるんでね、ここで一発かましてやろうかなと」と豪語した。対するカシメロは「枕の準備をしたほうがいい」と警告。「簡単な相手だ」と繰り返した。

　挑発的な発言を受け京之介は「1ラウンドから打ち合おうや。逃げ回んなよ。1ラウンドKO決着や」と語気を強めた。カシメロは「いくら賭ける？」とニヤり。京之介は「ファイトマネー、全部賭けろや。やるか？　OK」とヒートアップ。まさかのやり取りに興毅氏は頭を抱え「今すぐ答えを出せるものではないですが、両者しっかり戦ってほしい。ファイトマネーを賭ける発想は面白いですよね」と苦笑いを浮かべた。

　カシメロはIBF世界ライトフライ級やWBO世界バンタム級など世界3階級を制覇。2020年に現世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥（大橋）との対戦が決定しながら、新型コロナ禍で試合が流れた経緯もある。

　これまで井上をしつこく挑発してきていたカシメロだが、この日は「イノウエ・ナオヤにはもう興味がない。昔はずっと言っていたが試合が実現されなかった」とトーンダウン。しかし「1ラウンド、2ラウンドでKOしていけばイノウエの方から俺に興味を持つ。フィリピンではイノウエとの試合を望む声がたくさんある。俺はその試合を実現させるために頑張る」と話した。

　また、カシメロは来年5月に計画されている井上―中谷潤人（M.T）戦についても言及。「いい試合になると思う。どっちかがKO勝ち」と予想。どちらが勝利するかを聞かれると、「うーん」と考え込み「カシメロかな」と笑いを誘った。中谷も今後のターゲットの1人に入っているというが、カシメロが両者と戦える可能性は現状限りなく低い。

　カシメロは24年10月にサウル・サンチェス（米国）との試合で体重超過。初回TKO勝ちしたが、日本ボクシングコミッション（JBC）から、日本への招へいを1年間停止する措置を下されていた。日本のファンには“問題児”のイメージがついている。カシメロは約1年ぶりのリングとなる。

　亀田3兄弟の従兄弟・京之介は18年1月にプロデビュー。日本フェザー級ユース王座を21年7月に獲得した。直近2試合はルイス・ネリ、アラン・ピカソと対戦し、敗れていた。両者のランキングはカシメロがWBOスーパーバンタム級6位、IBF同級11位、京之介が東洋太平洋フェザー級10位に位置している。

　戦績は36歳のカシメロが34勝（23KO）4敗1分1無効試合、26歳の京之介が15勝（9KO）5敗2分。