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田中希実の予選突破を同組・山本有真が“アシスト” ペース作り申し出「『2人で作ったレースだよ』と」【東京世界陸上】

陸上の世界選手権東京大会第6日は18日、国立競技場で行われた。女子5000メートル予選で、山本有真(積水化学)は15分36秒29の18位で予選落ち。同組の田中希実(New Balance)のためにもペースをつくり、ゴール後は抱き合った。

女子5000メートル予選で、田中希実をアシストする山本有真(先頭)【写真:中戸川知世】
女子5000メートル予選で、田中希実をアシストする山本有真(先頭)【写真:中戸川知世】

東京世界陸上第6日

 陸上の世界選手権東京大会第6日は18日、国立競技場で行われた。女子5000メートル予選で、山本有真(積水化学)は15分36秒29の18位で予選落ち。同組の田中希実(New Balance)のためにもペースをつくり、ゴール後は抱き合った。

 昨夏のパリ五輪でも予選で積極的に駆けた山本は、東京でも先頭を走った。自分のため、そして同組の田中のために。

「同組だとわかった時に、どうしても田中さんに予選通過してほしいと心から思った」

 食事をともにした際、山本は田中に聞いた。「つくってほしいペースがあったら言ってください」。スローペースのラスト勝負を避けたい田中は、「スローになったら72秒くらいで6周半押してほしい」と答えた。

 そのペースに乗れば自らも自己記録を狙える。ただのアシストではなく、自分のためにも山本は全力で作戦を遂行した。

 中盤で失速して18位でフィニッシュ。約50秒前にレースを終えていた田中が、ゴールで待っていてくれた。ハグをかわし、田中からは「2人でつくったレースだよ」と声をかけられた。「凄く嬉しかった」と山本。その言葉は、東京の宝物だった。

(THE ANSWER編集部)

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