東京世界陸上

　陸上の世界選手権東京大会は連日、国立競技場で超人たちが熱戦を繰り広げている。第6日の18日に行われた女子400メートル決勝は、シドニー・マクローフリンレブロン（米国）が世界歴代2位となる47秒78で金メダルを獲得。40年ぶり47秒台の快記録に、地上波ではパワーワードが爆誕した。

　雨が降る中、マクローフリンが美しいフォームで疾走した。2022年大会の400メートル障害に続いて400メートルも制し、史上初のダブルタイトル。タイムは世界歴代2位の47秒78だった。1985年に旧東ドイツのマリタ・コッホが出した47秒60の世界記録に0秒18に迫り、47秒台はこの時以来、40年ぶりとなった。

　マクローフリンは大会アンバサダーでTBSの中継に出演している俳優・織田裕二が、とりわけ熱い視線を送る選手。レース後、とてつもないパワーワードが誕生した。

　コッホにはドーピング疑惑があることは知られた話。とはいえ、さすがに地上波ではっきり言及することは難しいだろう。そこで発された織田の言葉は、「1位の記録ってやんちゃな記録なんで。東ドイツの昔のね。85年ってやんちゃな時代ですよ」というものだった。

　奇しくもこの日、男子100メートル元世界王者のフレッド・カーリー（米国）がドーピング容認の総合大会「エンハンスト・ゲームズ」参戦が発表されていた。絶妙にオブラートに包みながら核心をつく「やんちゃ」には視聴者から賛辞が並んだ。

「やんちゃな記録って表現凄かったなー。普通とっさに出ないよ」
「今の百戦錬磨の織田裕二は『やんちゃ』で全てを表現できる」
「『やんちゃな記録』というワードチョイスにセンスの良さを感じました」
「“やんちゃな時代”って言ったのが言い得て妙すぎてまだジワってる」
「織田裕二のやんちゃな記録、松木さんのふざけたロスタイムに匹敵する名言だと思う」
「織田裕二の『やんちゃ』は全方位に配慮し、核心を突き、わかりやすい優れた表現」

　マクローフリンの世界記録更新に期待を込めた織田は、早くも2027年北京大会に向け、「次の大会では200、400。あのアリソン（フェリックス）の後継者としてやっていただきたい！」と熱く語った。