電撃「9.58」から16年…男子100m“最長寿”レコード 突出ボルトの伝説は破られるか【世界陸上】
陸上の世界選手権東京大会は13日、東京・国立競技場で開幕した。最大の注目を集めるのが、人類最速を決める男子100メートル。同種目で最長寿のレコードとなった、16年前の9秒58に迫るスプリンターは現れるだろうか。

2009年にボルトが9秒58をマーク
陸上の世界選手権東京大会は13日、東京・国立競技場で開幕した。最大の注目を集めるのが、人類最速を決める男子100メートル。同種目で最長寿のレコードとなった、16年前の9秒58に迫るスプリンターは現れるだろうか。
競技場を埋めた観衆に許された表現は、絶叫だけだった。
2009年8月16日、ドイツ・ベルリンのオリンピックスタジアム。前年、北京五輪の陸上男子100メートルで9秒69の世界新記録をマークしたウサイン・ボルト(ジャマイカ)が、世界選手権決勝のスタートラインに立った。
静寂を切り裂く号砲。ダイナミックなフォームで加速すると、異次元のスピードで駆け抜けた。9秒58。今なおレコードブックの頂に君臨する、偉大な記録が誕生した。
1968年、気圧が低く空気抵抗が少ない高地でのメキシコシティー五輪で、ジム・ハインズ(米国)が電動計時で初めて10秒の壁を破る9秒95をマークした。
この記録が更新されるには15年を要した。83年にカルビン・スミスが9秒93と0秒02更新。その後、カール・ルイスやリロイ・バレル、ドノバン・ベイリー、モーリス・グリーン、アサファ・パウエルといった名だたるスプリンターが、少しずつ時計の針を前に進めてきた。
「9秒58」から16年が経過。男子100メートルでは“最長寿”のレコードとなった。
ボルトは12年ロンドン五輪で9秒63もマークしており、9秒7未満で3回走っている。過去に9秒6台で走ったことがあるのは09年9月に9秒69を出したタイソン・ゲイ(米国)、12年8月に9秒69のヨハン・ブレーク(ジャマイカ)の2人だけ。いかにボルトが突出した存在だったかを物語る事実だ。
今季世界最速はパリ五輪銀メダルのキシェーン・トンプソン(ジャマイカ)が記録した9秒75。ケニー・ベドナレク(米国)が9秒79で続く。
東京で開催される世界選手権は13日に開幕した。カール・ルイス(米国)が9秒86の世界新(当時)で駆けてから34年、新たな伝説は誕生するか。
(THE ANSWER編集部)
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