野球U-18で豪州が受けた声援「かっ飛ばせー!」 沖縄の小学生と小さな“国際交流”
野球の国際大会「ラグザス presents 第32回 WBSC U-18野球ワールドカップ」が、沖縄県那覇市の沖縄セルラースタジアム那覇などで開催中だ。9日に行われたオーストラリアと米国の試合では、双方のチームに日本の子どもたちから大声援が飛んだ。代表監督も「ありがとう」と感謝するほどの熱烈応援。野球場で発生した小さな“国際交流”の狙いとは。

那覇市立城西小の5年生…外国チームの応援で生まれた絆
野球の国際大会「ラグザス presents 第32回 WBSC U-18野球ワールドカップ」が、沖縄県那覇市の沖縄セルラースタジアム那覇などで開催中だ。9日に行われたオーストラリアと米国の試合では、双方のチームに日本の子どもたちから大声援が飛んだ。代表監督も「ありがとう」と感謝するほどの熱烈応援。野球場で発生した小さな“国際交流”の狙いとは。
「かっ飛ばせー!!」「ドンマイ!!」。日本の野球応援でおなじみのフレーズが、異国で戦う豪州の選手たちを勇気づけた。那覇市が大会に合わせ、海外チームの応援団を募集したもので、豪州の応援に手を挙げたのは市立城西小の子どもたち。この試合では5年生3クラス、約90人がスタンド上段に陣取り、おそろいのタオルを手に大きな声を上げた。
そのうち「オージーオージーオージー!」と、豪州スタイルでの応援もスタート。野球経験のある比嘉琉輝くん、知念晃生くん、仲原悠くんの3人が中心となって応援をリードしていると、スタンドの豪州選手の関係者からカンガルーの人形や国旗など、応援グッズが次々に届けられた。日本と豪州の人々が、選手の動き一つ一つをともに喜び、悔しがった。
比嘉くん、知念くん、仲原くんの3人は、豪州で野球が行われているのは知っていたという。「大谷翔平選手がWBCで対戦したのを見ていたので、(応援に)選ばれた時には全力で声を出そうと思いました。日本の選手と比べると身長の差がすごい。日本とは違う野球をしているので、見ていて楽しかった」と、汗を浮かべながら笑顔を見せた。

今回の応援は、学校としては異文化交流の授業に位置付けているという。引率した赤嶺義晋教諭は「甲子園で沖縄尚学が優勝したこともあって、子どもたちの間でも野球への関心が高まっています」と、絶好のタイミングだったと話す。またこの年代は、下級生の頃が新型コロナ禍の最中だった。みんなで集まって何かするのを制限された学校生活を送ってきたため、その時間を取り戻すことも目的だという。
市への応募などを進めた山里莉央教諭は「この大会では、沖縄が国際交流の場になると知って応募しました。子どもたちに本物を見せたいというのと、外国への興味を持ってほしいのもあります」と、球場に集まる意味を強調。子どもたちが豪州の応援方法をとり入れる姿に「目が違いますね。沖縄が素敵な場所だとアピールもできたらいいのですが」とこちらも笑顔だ。
試合は豪州が1-11で敗れたが、ポスピシル監督も試合後「大きな応援が聞こえていたよ。ありがとう」とバックアップに感謝した。異国のチームと心を通わせた子どもたち。野球が世界に目を向けるきっかけにもなると証明する時間だった。
(THE ANSWER編集部・羽鳥 慶太 / Keita Hatori)
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