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日本苦しめる接戦も…イタリアが悩んだ「頭痛の種」 監督&先発右腕が脱帽「日本が優勝だよ」【U-18野球W杯】

野球の国際大会「ラグザス presents 第32回 WBSC U-18野球ワールドカップ」が5日、沖縄県那覇市の沖縄セルラースタジアム那覇などで開幕し、日本代表はイタリアを4-1で下し白星発進した。ただ終盤の6回に1-1に追いつかれるなど大苦戦。イタリア側は大健闘に納得しながらも、日本打線を「悪夢のようだ」「頭痛の種」と表現し脱帽だ。

日本の勝利を称えるイタリアのトリンチ監督(右端)【写真:羽鳥慶太】
日本の勝利を称えるイタリアのトリンチ監督(右端)【写真:羽鳥慶太】

6回表終わって1-1、それでも感じた日本の強さとは

 野球の国際大会「ラグザス presents 第32回 WBSC U-18野球ワールドカップ」が5日、沖縄県那覇市の沖縄セルラースタジアム那覇などで開幕し、日本代表はイタリアを4-1で下し白星発進した。ただ終盤の6回に1-1に追いつかれるなど大苦戦。イタリア側は大健闘に納得しながらも、日本打線を「悪夢のようだ」「頭痛の種」と表現し脱帽だ。

 日本は毎回のように走者が塁上を賑わせたが、得点は3回に押し出し四球で得た1点だけで試合の前半を終えた。すると6回、イタリアは1死一、三塁から「2番・二塁」のスアレスが三塁に強いゴロ。これを三塁手の為永(横浜高3年)は二塁に送球し併殺を狙ったもののオールセーフとなり、三走が生還して同点となった。直後の攻撃で、イタリアの守備の乱れもあり3点を勝ち越したものの、ヒヤリとさせられた。

 試合後、イタリアのトリンチ監督は「大切なのはミスをしないこと。最後にミスをしてしまったので負けてしまった。ただそこまではすごくいいプレーをしていた。アンラッキーなプレーで勝敗が分かれた」と、充実の表情で試合を振り返った。

 というのも「このチームには、まだほとんど経験がないんです。この大会を戦いながら、経験値も積み上げていくだろうと思っています」という状況。2009年生まれ、日本でいえば高校1年の世代が7人も名を連ねるほど若いチームなのだ。そのチームを悩ませたものがある。

「左バッターが多くて……これがイタリアチームにとっては、悪夢というか頭痛の種だった。とても抑えるのが大変だった。この大会は日本チームが優勝するのではないかと思うよ」

 日本はスタメン9人のうち、7人が左打者。3番から為永、阿部、奥村頼、奥村凌と4人並ぶ横浜高カルテットをはじめ、イタリアの投手陣は投げにくさを感じていたのだという。

粘りの投球を見せたイタリア先発のアリスメンディ【写真:羽鳥慶太】
粘りの投球を見せたイタリア先発のアリスメンディ【写真:羽鳥慶太】

先発右腕も感じた左打線のプレッシャー「本当に投げにくい」

 先発マウンドに立った右腕のアリスメンディは「とりあえずストライクをとってやろうと思ったんですけど、プレッシャーが……」と苦笑いだ。

「初めてこういう大会で、こんなに大きなスタジアムで注目を浴びているのを感じて、それがプレッシャーになってしまった。そうなるとなかなかゾーンに入れられなくて、自分が欲しかった結果が出せなかった」。そしてここでも驚いたのは、日本の左打者の粘り強さだという。

「できるだけ変化球で、ゾーンからちょっと離れたところを狙おうと思ったんですけど、なかなかそこにボールが行かなくて。本当に投げにくかった」

 一方、日本が苦戦した裏側にはイタリアの堅守があった。特に二遊間は二塁手のスアレスが身長185センチ。遊撃手のルッジェリが184センチと恵まれた体格を誇る。何度も好捕や華麗なジャンピングスローでピンチを救った。アリスメンディも「守備がちゃんと守ってくれるんだから、それを信じてとりあえずバッターに集中しようと。結果にはつながらなかったんですが、安心してピッチングできました」と感謝しきりだ。

 トリンチ監督も「イタリアの強みは守備だからね」とここにはニンマリ。長く欧州の強豪の地位にあるイタリアは現在世界ランキング14位。チェコが15位、イギリスが17位と新興勢力に追い上げられつつある。守りから作り上げるこの世代が、新たな光となるか。

(THE ANSWER編集部・羽鳥 慶太 / Keita Hatori)


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