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平日夜に1万3000人超満員…若手躍動の男子バレー日本、お手本のような「壮行試合」から世界一へ

高橋藍【写真:中戸川知世】
高橋藍【写真:中戸川知世】

スタンドは連日超満員、女子の4強入りも「壮行」に

 本番に向けての準備も進む。前日の第1戦後に「ブロックディフェンスが良かった」と話した石川主将は「サーブは課題。ミスもあったし、単調になった」と振り返った。ディフェンスのシステムについて聞かれたティリ監督も「いろいろと試していきたい」と世界選手権に向けての準備を強調した。

 もちろん、多くのファンに「壮行」されるために勝つことも重要。平日の夜、それも公式戦ではない「強化試合」にもかかわらず、スタンドは連日1万3000人を超えるファンで超満員。世界ランクでは日本の5位に対しブルガリアは15位だが、6月のネーションズリーグ予選ラウンドでストレート負けしている相手に連勝し、世界選手機へのムードは盛り上がる。

 第1セットでは、高橋がリベロ小川智大が拾ったボールをカメラマン席間近で右足レシーブ。さらに石川が左手を伸ばして相手コートに返し得点につなげた。スタンドを沸かせるスーパーキックに「リスクはあるけれど、ああいうプレーがチームに勢いをもたらす」。ファンへの思いが強い高橋だからこそ、スタンドを盛り上げる狙いもあるかもしれない。

 試合中には、同時刻にタイで行われていた女子世界選手権準々決勝の経過も速報。フルセットでブルガリアを下した後、オランダに競り勝った女子のベスト4進出が場内アナウンスされると観客席からは大歓声。女子チームの活躍が、男子チームの「壮行」にもなった。

 本番に向けて選手を選考し、準備し、応援の力を引き出しながら勝つというお手本のような「壮行試合」。74年メキシコ大会以来51年ぶり3度目の表彰台へ、さらに初の決勝進出へ、過去にないほどの大きなファンの後押しを受けて、日本代表は世界に挑む。

(荻島 弘一 / Hirokazu Ogishima)


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荻島 弘一

1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者としてサッカーや水泳、柔道など五輪競技を担当。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰する。山下・斉藤時代の柔道から五輪新競技のブレイキンまで、昭和、平成、令和と長年に渡って幅広くスポーツの現場を取材した。

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