金星まであと一歩も「実力の差は歴然だった」 強豪PSGに敗戦、ジークスター東京・佐藤監督の悔恨とチームの課題【ハンドボール】

日本一を逃し続けている「課題」
日本一を逃し続けている「課題」も相変わらずだった。各チームから日本代表クラスの選手が移籍した「スター軍団」は意外なほどの勝負弱さを露呈することがある。個々の力は圧倒的だが、ここぞの場面でミスを連発、終盤になるとプレーの強度が落ちるなど「泥臭さ」とは無縁の戦いでタイトルを逃し続けてきた。
同点となるシュートをセーブされた中村も「豊田合成やブレイヴキングス刈谷の選手は、ああいうところで決めきる。決めないと日本一にはなれない」。日本リーグ時代から5連覇中の豊田合成と5年連続準優勝の刈谷、越えられない「2強」を例に話した。
中村だけではなかった。試合終盤、何度も追いつくチャンスがありながらシュートミスなどで逃した。変わらない勝負弱さ、淡白なプレー。佐藤監督は「終盤の競った状況でいつものようにシュートを打つには、うまさというよりもこっち」と自らの胸を指し、精神面を強調した。
この日、中村はチーム最多タイの5得点を決めた。PSG相手に通用する部分も見せたが、シュートは10本で決定率は50%止まり。「しっかりと反省しないと。一人ひとりの意識を変えないと(リーグHプレーオフで敗退した)去年の二の舞になる」と悲壮な決意で言った。
もちろん、収穫もあった。先発した日本代表GK岩下祐太に代わり、前半途中からゴールを守った大山翔伍は好セーブを連発。筑波大から今春チーム入りしたばかりの新人がゲームを引き締めた。2年目の伊禮は中村と並ぶチーム最多タイの5得点。「通用した部分があったのは、自信になる」と話した。若手がチームに活力を与えた。
今季最大の目標はリーグ制覇。佐藤監督は「この試合がいい試合になったと言えるように、今後やっていきたい」と話した。中村も「あの負けがあったからリーグに集中できて優勝できた、となるように精進していきたい」。開幕は9月6日、アウェーでのブレイヴキングス刈谷戦、今年もジークスターの挑戦が始まる。(荻島弘一)
(THE ANSWER編集部)
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