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「午前中オフィス、午後に練習がまだ多い」 男子ハンド日本の指揮官が訴えた環境改善 代表強化へ持論

 ハンドボール男子日本代表のトニー・ジローナ監督(52)が、今季2年目を迎える「リーグH」の改革を訴えた。19日のパリ・サンジェルマン(PSG)戦(東京・代々木第一体育館)に向けて都内で合宿中の日本代表が14日、練習を公開。取材に応じたジローナ監督は、リーグ戦日程の見直しや各クラブの本格的なプロ化、海外挑戦の奨励など代表強化へ持論を展開した。

真剣な表情で日本ハンドボールの未来を語る男子日本代表のジローナ監督【写真:編集部】
真剣な表情で日本ハンドボールの未来を語る男子日本代表のジローナ監督【写真:編集部】

 ハンドボール男子日本代表のトニー・ジローナ監督(52)が、今季2年目を迎える「リーグH」の改革を訴えた。19日のパリ・サンジェルマン(PSG)戦(東京・代々木第一体育館)に向けて都内で合宿中の日本代表が14日、練習を公開。取材に応じたジローナ監督は、リーグ戦日程の見直しや各クラブの本格的なプロ化、海外挑戦の奨励など代表強化へ持論を展開した。

リーグ戦など国内日程の見直し

 この日練習を公開した日本代表に、昨夏のパリ五輪や今年1月の世界選手権で活躍した多くの主力選手の姿はなかった。初代リーグH王者となった豊田合成ブルーファルコン名古屋と準優勝のブレイヴキングス刈谷の選手は「クラブ事情」で不参加。パリ五輪で攻守の要となった安平光佑(ブルガンSC)や吉田守一(ナント)ら海外組もいなかった。

 3年連続のPSG戦だが、過去2年も同様だった。豊田合成は欧州遠征中で、刈谷も欧州から帰ったばかり。海外組もそれぞれ新シーズンに向けてクラブで練習中だったり休養していたりで不在。「それは仕方がないこと。この時期はインターナショナルウィークではないから、すべての選手を招集することは難しい」と話した。

 サッカーなどと同様に、国際ハンドボール連盟(IHF)はインターナショナルウィークと呼ばれる代表チームの強化期間を設けている。その間に各国は強化試合を組み、大陸選手権などの予選が行われる場合もある。しかし、8月はシーズンインを前にクラブの強化が優先される時期。それ以外の時期は、クラブ側に代表に選手を出す義務はない。

 クラブでの活動が優先される時期に、クラブであるPSGと日本代表の試合を組むこと自体にも無理がある。国内で試合をする機会が少ない日本代表のために、PSG来日に合わせて国内ファンの前で試合を組むのは分かるが、大同フェニックス東海のエース藤坂尚輝が「出場を許してくれたチームに感謝したい」と話すなど、選手たちはクラブと代表の板挟みにあっている。

「スケジュールは考えなければならない。世界のカレンダーに合わせることが必要。(日程の関係で不参加になっている)アジアクラブ選手権にも出られるようにするべき」とジローナ監督。リーグH発足の目的の1つは「国際的な競技力向上」だったはず。リーグと日本協会が連携し、国内の日程を海外に合わせていかなければ、世界から遅れるばかりだ。

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荻島 弘一

1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者としてサッカーや水泳、柔道など五輪競技を担当。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰する。山下・斉藤時代の柔道から五輪新競技のブレイキンまで、昭和、平成、令和と長年に渡って幅広くスポーツの現場を取材した。

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