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日本開催でも圧倒的「アウェー」 中国の世界1位に敗れた橋本帆乃香が得た経験「負けはしたけど…」【WTTチャンピオンズ横浜】

卓球のシングルスのNo.1を決める国際大会「WTTチャンピオンズ横浜大会」第3日が9日、横浜BUNTAIで行われ、女子シングルス2回戦で世界ランク11位の橋本帆乃香(デンソー)が、同1位の孫穎莎(そん・えいさ、中国)に1-3で逆転負けを喫した。

WTTチャンピオンズ横浜大会に出場した橋本帆乃香【写真:WTT提供】
WTTチャンピオンズ横浜大会に出場した橋本帆乃香【写真:WTT提供】

WTTチャンピオンズ横浜

 卓球のシングルスのNo.1を決める国際大会「WTTチャンピオンズ横浜大会」第3日が9日、横浜BUNTAIで行われ、女子シングルス2回戦で世界ランク11位の橋本帆乃香(デンソー)が、同1位の孫穎莎(そん・えいさ、中国)に1-3で逆転負けを喫した。

 圧倒的な「アウェー」だった。日本開催で橋本を応援する声もあったが、スタンドの多くは中国ファン。中国国内でも人気のある孫への声援が会場を包み込んだ。橋本が第1ゲームを11-6で取ると、孫を後押しする「加油(頑張れ)」の大合唱がスタンドに響き渡った。

 近くに日本最大の中華街もあり、横浜BUNTAIのある横浜市中区はもともと中国人が多い。中国で最も人気のある卓球の国際大会が横浜で行われれば、多くの人が集まるのも当然。会場を待つ長蛇の列でも、隣接するコンビニでも、耳にするのは中国語ばかり。JR関内駅をはさんだ中華街が移動してきたようだった。

 相手の強打を台の後方で拾いまくるカットマンの試合。ラリーが長くなる分、声援もヒートアップする。「WTTチャンピオンズ」初出場の橋本は「第1ゲームは取ることができたけど、相手の対応力がすごかった。何も通用しなかった」と世界1位との力の差を口にし「負けはしたけれど、試合ができてよかった」と笑顔で話した。

 ホームでの試合で体験した「アウェー」。橋本は「日本での試合だけど中国語のコールが大きかったり、こういう感覚で試合をするんだということが感じられてよかった」と、なかなか得られない初めての経験を前向きにとらえて言った。

 孫に対する大声援も「嫌なものではなかった。たくさんの人から応援されているんだと思ったし、自分もそういう選手になりたいと思った」と橋本。相手の力を受け止め、耐えて、粘って勝ち上がるカットマンらしいコメントだった。

 近年のトップ選手では珍しいカットマンだが、海外勢にはめっぽう強く、昨年7月に130台だった世界ランクも急上昇。トップ10まであと一歩と迫っている。「これから五輪やメダルを目指す上で、勝たなければいけない相手。次は中国のトップ選手に勝てるように頑張っていきたい」と大会を沸かせた橋本は言い切った。

(荻島 弘一 / Hirokazu Ogishima)


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荻島 弘一

1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者としてサッカーや水泳、柔道など五輪競技を担当。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰する。山下・斉藤時代の柔道から五輪新競技のブレイキンまで、昭和、平成、令和と長年に渡って幅広くスポーツの現場を取材した。

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